色々な角竜
- 2014/11/29
- 23:28

忙しいのは良い事、と思いたいものです。角竜は角の生え方やフリルのホーンに色んなバリエーションがあります。その違いで分類される事が多い様ですが、成長に伴って大きく変化する事が最近は分かってきています。その為、一度記載された属や種が、既に知られている角竜の子供であるとして抹消されたり、あるいは同じ属とされていたものが別属とされたり、最近は変化が凄い早くて。正直、一般向けの本では追い付けないですね。論文...
ティラノサウルス科_ゴルゴサウルス
- 2014/11/23
- 23:05

※2016.09.10 写真と文章を追加。ゴルゴサウルスの生体の想像図。 映画「ウォーキングwithダイナソー」の敵役として活躍したゴルゴサウルスは、カナダ地質学研究所に雇われた伝説的な化石ハンター、スターンバーグ一家の長男、チャールズ・M・スターンバーグ氏により1913年にベリー・リバー累層から発見されたティラノサウルス科の恐竜で、1914年にローレンス・モリス・ランベ博士によりゴルゴサウルス・リブラトゥス(バランスのとれた...
ティラノサウルス科_アルバートサウルス(3) 分類と生態
- 2014/11/22
- 07:24

アルバートサウルス・サルコファグスの生体の想像図。個人的にアルバートサウルスには赤が似合う気がします。 2013年のローウェン博士による系統解析では、ゴルゴサウルスと共にアルバートサウルス亜科をなします。体長は約8m位で頭部は1mを超えるものもあります。ティラノサウルスと比較して後足が長く、よりほっそりしており、体重は2t程度と推定されており、おそらくかなり早い速度で歩くことができたと考えられます。ティラノ...
ティラノサウルス科_アルバートサウルス(2) なくなった種
- 2014/11/19
- 10:38

アルバートサウルスの模式種はA.サルコファグス( Albertosaurus sarcophagus )ですが、他にも幾つかの種が記載されました。A.リブラトゥス、A.メガグラシリス、A.アルクトゥングイスです。現在、サルコファグス種以外は使用されていませんが、それぞれの経緯を見ていきましょう。 A.リブラトゥス( Albertosaurus libratus )は、元々ゴルゴサウルス・リブラトゥス( Gorgosaurus libratus )として1914年にローレンス・ランベ博士に...
ティラノサウルス科_アルバートサウルス(1) 発見と命名
- 2014/11/18
- 09:00

※2016.09.10 写真と文章を追加。アルバートサウルスの頭骨と頭部の想像図。2009年に開催された『恐竜博2009~砂漠の奇跡~』より。2016年に群馬県立自然史博物館で開催された『超肉食恐竜 T・rex』展で展示されたアルバートサウルスの頭骨。上の写真の頭骨と比較すると、鼻先や下顎が華奢に見えます。また、涙骨の突起がより発達している様に思えます。成長段階の違いでしょうか。 アルバートサウルス( Albertosaurus sarcophagu...
ティラノサウルス科_ズケンティランヌス
- 2014/11/14
- 23:00

ズケンティランヌス(Zhuchengtyrannus magnus)は2009年に中国山東省南東部の諸城市(ジョウチョンと読むそうです)で発見され、2011年にロンドン大学のデヴィッド・ホーン博士、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所のコーウィン・サリバン博士、徐星博士らによりティラノサウルス科の新属新種として記載された大型の肉食恐竜です。名前は「偉大な諸城の暴君」という意味です。本当は発見地にちなみ、ジョウチョンティランヌス、あるい...
ティラノサウルス科_ナノティランヌス
- 2014/11/12
- 22:54

現在ナノティランヌスの模式標本(CMN7541)とされる化石は、1942年に採取され、1946年にアメリカの国立自然史博物館のチャールズ・ギルモア博士によりゴルゴサウルス・ランセンシスと命名された後、長い間クリーヴランド博物館に置かれていました。1988年にコロラド大学のロバート・バッカー博士らにより子細に再検討された結果、頭骨のてっぺんがゴルゴサウルス風に石膏で復元されており、ゴルゴサウルスとは異なる新種である事...
ティラノサウルス科_リトロナクス_1
- 2014/11/10
- 22:33

2016.09.10追記 リトロナクス・アルゲステス(リスロナクス、ライスロナックスとも)_Lythronax argestesは、2009年にユタ州南部のケーン郡で発見されたティラノサウルス科の肉食恐竜で、2013年に記載されました。本種を記載したユタ自然史博物館のマーク・ローウェン博士らは、リトロナクスがティラノサウルスと良く似ている事を示す為に、名前に「レックス」以外の「王」を意味する言葉を使いたかったそうです。そこで、ギリシャ語...
ティラノサウルス科_タルボサウルス(2) 成長と生態
- 2014/11/09
- 22:46

タルボサウルスはこれまでに非常に保存状態の良い化石が複数発見されています。北米でティラノサウルス類が発見される事が稀である事に比べると、モンゴルでなぜこんなに沢山タルボサウルスが見つかるのか、かなり謎とされています。しかも、幼体から老体まで各種の成長段階の化石が見つかる為、ティラノサウルス類の成長による外見の変化を研究するにはもってこいでした。 まず、頭部の主な変化を挙げると「細長かった頭部が厚...
ティラノサウルス科_タルボサウルス(1) 発見と命名
- 2014/11/09
- 10:34

タルボサウルスの想像図。 第2次世界大戦後の1946~1949年、ソ連科学アカデミー古生物学研究所がモンゴルに遠征し、ゴビ砂漠のネメグト盆地の白亜紀後期(マーストリヒト期初期、約7000万年前頃)の地層からティラノサウルス類の化石を収集しました。この時、遠征隊に参加した科学者にはユーリ・オルロフ博士、イワン・エフレモフ博士、アナトリー・ロジェストヴェンスキー博士、エフゲニー・マレーエフ博士、ネストル・ノヴォジロフ博士...