幻獣の名を冠する恐竜シリーズ12 メルクリケラトプス(1)
- 2015/07/07
- 23:39
またまた角竜です。こうしてみると、角竜には結構神話から取られた名前のがいますね。
さて、今回はメリークリスマスを略したみたいな名前の子です。

メルクリケラトプス・ジェミニ( Mercuriceratops gemini )は、アメリカのモンタナ州にあるジュディスリバー累層と、カナダのアルバータ州にあるダイナソーパーク累層からそれぞれ1つずつ発見された標本に基づいて、マイケル・ライアン博士らによって2014年に記載されたカスモサウルス亜科の角竜です。およそ7700万年前に生息していたと見られ、現在のところ、カナダで発見された最も古いカスモサウルス亜科のメンバーとされます。体長はおよそ6m、体重2tと見積もられています。
発見されている部位は、アメリカ、カナダの標本ともに鱗状骨(squamosal)で、モンタナ州で発見されたホロタイプROM64222はほぼ完全な右の鱗状骨、アルバータ州で発見されたUALVP54559は不完全な右の鱗状骨という事です。鱗状骨が長いのはカスモサウルス亜科の特徴という事で、メルクリケラトプスの鱗状骨はビヨーンと長い事から、この骨だけでもカスモサウルス亜科だと判明した様です。
この鱗状骨の形状が知られている角竜のどれとも異なる事から新種とされ、まるで蝶の翅の様に見える事から(下の絵で〇で囲った部分)、羽の付いた兜を被っているローマ神話の伝令の神メルクリウスに因んで命名されました。また、種小名のジェミニは双子座の事ですが、遠く離れた2つの場所で同じ部位が発見されている事から、まるで双子の様であるとして付けられた様です。

モンタナ州で発見された標本は、私有地で発見された化石をカナダのロイヤル・オンタリオ博物館が買い取ったもので、アルバータ州で発見された標本はアルバータ大学のフィリップ・カリー博士の研究室のプレパレーターであるスーザン・オーウェン・ケーゲンさんが発見したものだそうです。
マイケル・ライアン博士はアルバータに行った際に、スーザンさんからUALVP54559を見せてもらったそうで、すぐにモンタナ州で発見されたROM64222と同じ恐竜のものである事に気付いたそうです。その時の気持ちを「それを見た時、驚いて開いた口が閉まらなかった(意訳」と述べています。また、ロイヤル・オンタリオ博物館のデビッド・エヴァンス博士は「メルクリケラトプスのフリルの形状は過去に見た事もなく、角竜の多様性を示唆する」と述べています。
他の部位については現状では分かっていない様ですので、カスモサウルスを参考に想像図をでっち上げてみました。目の上の角はあまり長くなかったのではないかな、と思いますが、実際のところどうだったんでしょう。あと、鼻の上の角は、基盤的なカスモサウルス亜科のメンバーではあまり発達していなかったんじゃないか、という事で角というより板状の出っ張りにしてみました。モジョケラトプスみたいな。
参考サイト:デビッド・エヴァンス博士のサイト「David Evans Lab」
さて、今回はメリークリスマスを略したみたいな名前の子です。

メルクリケラトプス・ジェミニ( Mercuriceratops gemini )は、アメリカのモンタナ州にあるジュディスリバー累層と、カナダのアルバータ州にあるダイナソーパーク累層からそれぞれ1つずつ発見された標本に基づいて、マイケル・ライアン博士らによって2014年に記載されたカスモサウルス亜科の角竜です。およそ7700万年前に生息していたと見られ、現在のところ、カナダで発見された最も古いカスモサウルス亜科のメンバーとされます。体長はおよそ6m、体重2tと見積もられています。
発見されている部位は、アメリカ、カナダの標本ともに鱗状骨(squamosal)で、モンタナ州で発見されたホロタイプROM64222はほぼ完全な右の鱗状骨、アルバータ州で発見されたUALVP54559は不完全な右の鱗状骨という事です。鱗状骨が長いのはカスモサウルス亜科の特徴という事で、メルクリケラトプスの鱗状骨はビヨーンと長い事から、この骨だけでもカスモサウルス亜科だと判明した様です。
この鱗状骨の形状が知られている角竜のどれとも異なる事から新種とされ、まるで蝶の翅の様に見える事から(下の絵で〇で囲った部分)、羽の付いた兜を被っているローマ神話の伝令の神メルクリウスに因んで命名されました。また、種小名のジェミニは双子座の事ですが、遠く離れた2つの場所で同じ部位が発見されている事から、まるで双子の様であるとして付けられた様です。

モンタナ州で発見された標本は、私有地で発見された化石をカナダのロイヤル・オンタリオ博物館が買い取ったもので、アルバータ州で発見された標本はアルバータ大学のフィリップ・カリー博士の研究室のプレパレーターであるスーザン・オーウェン・ケーゲンさんが発見したものだそうです。
マイケル・ライアン博士はアルバータに行った際に、スーザンさんからUALVP54559を見せてもらったそうで、すぐにモンタナ州で発見されたROM64222と同じ恐竜のものである事に気付いたそうです。その時の気持ちを「それを見た時、驚いて開いた口が閉まらなかった(意訳」と述べています。また、ロイヤル・オンタリオ博物館のデビッド・エヴァンス博士は「メルクリケラトプスのフリルの形状は過去に見た事もなく、角竜の多様性を示唆する」と述べています。
他の部位については現状では分かっていない様ですので、カスモサウルスを参考に想像図をでっち上げてみました。目の上の角はあまり長くなかったのではないかな、と思いますが、実際のところどうだったんでしょう。あと、鼻の上の角は、基盤的なカスモサウルス亜科のメンバーではあまり発達していなかったんじゃないか、という事で角というより板状の出っ張りにしてみました。モジョケラトプスみたいな。
参考サイト:デビッド・エヴァンス博士のサイト「David Evans Lab」
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