幻獣の名を冠する恐竜シリーズ12 メルクリケラトプス(2)_元ネタ
- 2015/07/12
- 03:52
メルクリケラトプスの元ネタはローマ神話の商人や旅人を庇護するとされる神メルクリウス_Mercuriusです。この名前はラテン語で商品とか商売といった意味のMERXから来ているとか、あるいはその逆で商売という言葉がメルクリウスから派生したとか諸説あるそうです。ギリシャ神話のオリンポス12神の一人で伝令の神ヘルメスと同化し、盗賊の守護神とも言われるそうです(いや、それ神なのか?)。英語読みではマーキュリー_Mercuryとなり、水星を表す言葉にもなっていますが、これは水星が惑星の中でも動きが速い事から、「早く動く=伝令神は早く移動できる」という発想に繋がり、ヘルメスの性格を受け継いだメルクリウスの名前が当てられたのだそうです。
ローマ神話の神様としてのメルクリウスは、若く美しい男性の姿をしており、頭部には羽のついた兜を被り、足には羽のついたサンダルを履いています。メルクリウスを題材とした絵画や彫刻では、兜とサンダルのみ身に着けて、後は真っ裸という、現代なら完全に変態紳士な感じのものがあります。2匹の蛇が絡みついた杖カドゥケウスの持ち主でもあります。

真っ裸は絵的に問題があるので、古代ローマっぽい恰好にしてみた。
紀元前6世紀頃にローマ人はギリシャの影響を受けて、元々自分たちが崇拝していた神々をギリシャ神話の神々と同一視したそうで、今日、ローマ神話の神様がギリシャ神話の神様と対応しているのはそのせいだそうです。例えば、ローマ神話にはディーコンセンテスという12柱の最高神がおられるそうですが、これはギリシャ神話のオリンポス12神の丸パクリらしいです。こういった中でメルクリウスはギリシャ神話のヘルメスに対応する神とされた為、元来の神格の性質があまり良く分からないそうですが、元々ローマで崇拝された神様ではない可能性もある様です。
メルクリウスと同一視されたヘルメスですが、アレクサンドロス大王による東方遠征で生じたとされるヘレニズム時代にエジプト神話の知恵の神にて魔術神トートと習合し、さらに伝説に謳われるヘルメスという名の人(3人いたとされ、アダムの孫とか、ピタゴラスの師匠だったとか胡散臭さ半端ない)と結びつけられる事で、ヘルメス・トリスメギストス(3倍偉大なヘルメスという意味)という存在が生じたとされます。これは錬金術師たちの間でモーセと同時代に生きた伝説の錬金術師と崇められ、中世の錬金術師は、唯一「賢者の石」を手に入れた錬金術師だと考えていたそうです。この様な流れで、ヘルメスは錬金術の守護者であり学問の神とも呼ばれる様になりました。この為、錬金術は「ヘルメスの術」とも呼ばれるそうです。
で、ヘルメスが錬金術と結びつけられる様になると、当然メルクリウスも錬金術と関係が深い神であると考えられる様になりました。16世紀の錬金術師ジョバンニ・バスティッタ・ナザリの著書にメルクリウスの挿絵があり、老人の顔に魚と蛇が合体した姿をしているそうです。しかも中途半端に元の姿を引きずっていて、足には羽の付いたブーツを履いているので、キモいやら可笑しいやら。錬金術においては、水銀が重要な要素として扱われますが、水銀をラテン語でメルクリウスと言います。これは、水銀が金属のなかで唯一、常温で液体である事から、その流動性が神々の伝令役として飛び回るメルクリウスと結びつけられた為とされます。

錬金術と結びつけられた後のメルクリウス。
…人間の想像力ってスゴイ。
参考文献:「金子一馬画集Ⅱ」新紀元社、英語版Wikipedia「Mercury」、「ヘルメス・トリスメギストス」、「錬金術」
ローマ神話の神様としてのメルクリウスは、若く美しい男性の姿をしており、頭部には羽のついた兜を被り、足には羽のついたサンダルを履いています。メルクリウスを題材とした絵画や彫刻では、兜とサンダルのみ身に着けて、後は真っ裸という、現代なら完全に変態紳士な感じのものがあります。2匹の蛇が絡みついた杖カドゥケウスの持ち主でもあります。

真っ裸は絵的に問題があるので、古代ローマっぽい恰好にしてみた。
紀元前6世紀頃にローマ人はギリシャの影響を受けて、元々自分たちが崇拝していた神々をギリシャ神話の神々と同一視したそうで、今日、ローマ神話の神様がギリシャ神話の神様と対応しているのはそのせいだそうです。例えば、ローマ神話にはディーコンセンテスという12柱の最高神がおられるそうですが、これはギリシャ神話のオリンポス12神の丸パクリらしいです。こういった中でメルクリウスはギリシャ神話のヘルメスに対応する神とされた為、元来の神格の性質があまり良く分からないそうですが、元々ローマで崇拝された神様ではない可能性もある様です。
メルクリウスと同一視されたヘルメスですが、アレクサンドロス大王による東方遠征で生じたとされるヘレニズム時代にエジプト神話の知恵の神にて魔術神トートと習合し、さらに伝説に謳われるヘルメスという名の人(3人いたとされ、アダムの孫とか、ピタゴラスの師匠だったとか胡散臭さ半端ない)と結びつけられる事で、ヘルメス・トリスメギストス(3倍偉大なヘルメスという意味)という存在が生じたとされます。これは錬金術師たちの間でモーセと同時代に生きた伝説の錬金術師と崇められ、中世の錬金術師は、唯一「賢者の石」を手に入れた錬金術師だと考えていたそうです。この様な流れで、ヘルメスは錬金術の守護者であり学問の神とも呼ばれる様になりました。この為、錬金術は「ヘルメスの術」とも呼ばれるそうです。
で、ヘルメスが錬金術と結びつけられる様になると、当然メルクリウスも錬金術と関係が深い神であると考えられる様になりました。16世紀の錬金術師ジョバンニ・バスティッタ・ナザリの著書にメルクリウスの挿絵があり、老人の顔に魚と蛇が合体した姿をしているそうです。しかも中途半端に元の姿を引きずっていて、足には羽の付いたブーツを履いているので、キモいやら可笑しいやら。錬金術においては、水銀が重要な要素として扱われますが、水銀をラテン語でメルクリウスと言います。これは、水銀が金属のなかで唯一、常温で液体である事から、その流動性が神々の伝令役として飛び回るメルクリウスと結びつけられた為とされます。

錬金術と結びつけられた後のメルクリウス。
…人間の想像力ってスゴイ。
参考文献:「金子一馬画集Ⅱ」新紀元社、英語版Wikipedia「Mercury」、「ヘルメス・トリスメギストス」、「錬金術」
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