トリケラトプス(2) 種類 属と種
- 2014/11/01
- 18:16
トリケラトプスという名前を知っている方は大勢いらっしゃると思いますが、これが属名であるというと、何の事?となる人は多いのではないかと思います。属、種とはなんでしょう。
動物の学名は属名と種名からなります。例えば、ライオンはPanthera leoと言いますし、トラはPanthera tigrisと言います。アレ?と思われますか?そうです、前半分が同じですね。これは、ライオンとトラが同じ属であるからです。後ろ半分が種名ですが、同種の動物は基本的に普通に生殖ができます。ヒトもアメリカ人と日本人が結婚してハーフの子供が生まれたとして、その子がアフリカの人と結婚しても、また子供が生まれますよね?これは、世界中のヒトが、ホモ属サピエンス種という同一種だからです。
けれど、同属でも種が異なる動物ではそうはいきません。ライオンとトラは同じ祖先から分かれましたが、選んだ生活圏が異なる為、一目で区別できる程に変化しました。しかし、彼らは一皮むくと区別が非常に難しい程似ているのです。それを如実に示す話が金子隆一さんの本「新恐竜伝説」に載っているので、以下に引用してみます。
"国立科学博物館の新年会のアトラクションとして、こんなゲームが行われたそうである。すなわち、トラ、ライオン、ヒョウなど、現生のネコ科の猛獣の頭骨をいくつも集め、どれが本物のトラの頭か当ててみよ、というわけだ。ところが、驚いたことに、動物学、解剖学の権威としてその筋では鳴らした錚々たる大家の先生方が、ついに誰一人としてトラの頭骨を見分けることができなかった" 新恐竜伝説 早川書房 55~56P
と、この様に同属であれば、骨レベルではそっくりな訳です。また、ライオンとトラを人工的に掛け合わせることでライガーという動物が生まれる様に、交配も可能ですが、生殖能力のない子供が生まれる事が多く、その後が続かないのです。
という訳で、今回は、現在有効とされているトリケラトプスの2種類を紹介したいと思います。
まずはトリケラトプス・ホリドゥスです。これは最初に記載されたトリケラトプスで、こういう種を模式種と言います。トリケラトプスは化石が発見されるたびに僅かな違いによって沢山の種が記載されましたが、1986年のジョン・オストロム博士の研究により、差は年齢や性別の違いによるものとされ、一時期はT.ホリドゥスのみが有効な種とされた事もありました。

トリケラトプス・ホリドゥスの頭部。顔が細長く、鼻の上の角は短め。
もう一種はトリケラトプス・プロルススです。T.ホリドゥスとの差は、頭部が全体的に前後に短い事、鼻角が長い事と言われています。また、発見されている地層がT.ホリドゥスよりも新しく、恐竜の絶滅まで生き残っていた恐竜の一種です。恐らく、T.ホリドゥスからT.プロルススが進化したと考えられています。

トリケラトプス・プロルススの頭部。日本では群馬県立自然史博物館などで展示されています。
動物の学名は属名と種名からなります。例えば、ライオンはPanthera leoと言いますし、トラはPanthera tigrisと言います。アレ?と思われますか?そうです、前半分が同じですね。これは、ライオンとトラが同じ属であるからです。後ろ半分が種名ですが、同種の動物は基本的に普通に生殖ができます。ヒトもアメリカ人と日本人が結婚してハーフの子供が生まれたとして、その子がアフリカの人と結婚しても、また子供が生まれますよね?これは、世界中のヒトが、ホモ属サピエンス種という同一種だからです。
けれど、同属でも種が異なる動物ではそうはいきません。ライオンとトラは同じ祖先から分かれましたが、選んだ生活圏が異なる為、一目で区別できる程に変化しました。しかし、彼らは一皮むくと区別が非常に難しい程似ているのです。それを如実に示す話が金子隆一さんの本「新恐竜伝説」に載っているので、以下に引用してみます。
"国立科学博物館の新年会のアトラクションとして、こんなゲームが行われたそうである。すなわち、トラ、ライオン、ヒョウなど、現生のネコ科の猛獣の頭骨をいくつも集め、どれが本物のトラの頭か当ててみよ、というわけだ。ところが、驚いたことに、動物学、解剖学の権威としてその筋では鳴らした錚々たる大家の先生方が、ついに誰一人としてトラの頭骨を見分けることができなかった" 新恐竜伝説 早川書房 55~56P
と、この様に同属であれば、骨レベルではそっくりな訳です。また、ライオンとトラを人工的に掛け合わせることでライガーという動物が生まれる様に、交配も可能ですが、生殖能力のない子供が生まれる事が多く、その後が続かないのです。
という訳で、今回は、現在有効とされているトリケラトプスの2種類を紹介したいと思います。
まずはトリケラトプス・ホリドゥスです。これは最初に記載されたトリケラトプスで、こういう種を模式種と言います。トリケラトプスは化石が発見されるたびに僅かな違いによって沢山の種が記載されましたが、1986年のジョン・オストロム博士の研究により、差は年齢や性別の違いによるものとされ、一時期はT.ホリドゥスのみが有効な種とされた事もありました。

トリケラトプス・ホリドゥスの頭部。顔が細長く、鼻の上の角は短め。
もう一種はトリケラトプス・プロルススです。T.ホリドゥスとの差は、頭部が全体的に前後に短い事、鼻角が長い事と言われています。また、発見されている地層がT.ホリドゥスよりも新しく、恐竜の絶滅まで生き残っていた恐竜の一種です。恐らく、T.ホリドゥスからT.プロルススが進化したと考えられています。

トリケラトプス・プロルススの頭部。日本では群馬県立自然史博物館などで展示されています。
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