「南アジアの恐竜時代」レポート（2）

先ずはイクチオヴェナトル･ラオセンシス_Ichthyovenator laosensis。ラオスで見つかったスピノサウルス類ですね。
見つかっている部分だけを展示しつつも、全身が分かる様に（なおかつ3Dの状態で）組んであるのが良いですね！
ワイヤーフレームも良く出来ていて、顔がちゃんとスピノしてるし。
腰帯くらいしか見つかってないのかと思ってましたが、結構沢山の部位が見つかっていたのが意外。
あと、解説も「第1尾椎の横突起がS字に曲がるのが本種の特徴」なんて書いてあって、詳細でイイ感じ。
腰の背びれが一部切れているのが良くわかります。

順番が前後してしまいますが、こちらはタイ産のスピノサウルス類。
タイでは歯の化石に基づいてシアモサウルス･スーティーソーニ_Siamosaurus suteethorniが記載されていますが、同じものでしょうか。

シャモティランヌス･イサネンシス_Siamotyrannus isanensis。最初はティラノサウルスの仲間と考えられた化石です。
現在ではシンラプトル科と考えられていますが、他のシンラプトル類よりも大分遅い時代に生きていたのが引っかかります。

タイのコラート層群コク・クアルト層から出たというカルカロドントサウルス類。
頭骨は1mくらいあった様で、かなり大きな捕食者みたいですね。こんなのが出ていたとは知りませんでした。
もっと多くの化石が見つかって、全身骨格が復元されると良いですね。
※福井県立恐竜博物館さん、マプサウルスみたいな悲惨な復元だけはご勘弁を！

ちょいと戻ってプシッタコサウルス。

タイ、ラオスの両方でプシッタコサウルスが出ているそうです。本当に分布が広いですね。
最近ではモザイケラトプスという、やや色っぽい妄想しちゃいそうな名前の新種の発見で系統関係が見直されています。
後ろのはちょこちょこ見る全身骨格。プシッタコサウルス sp.となっていますが、2011年に科博で開催された「恐竜博2011」ではプシッタコサウルス･シネンシスになってました。


中国は浙江省で発見された、まだ未命名のテリジノサウルス類。
腕がそれ程大きくなく、恥骨もそんなに後ろに回転していないので、割と原始的なのかもしれません。

"ガリミムス･モンゴリエンシス"。ジュラシックパークに出てきたガリミムスの近縁種。
実際にはガリミムス属ではないらしいですが、もう何年も再記載されないなぁ。

最後は、中国の鎧竜。

左はノドサウルス科のジェジアンゴサウルス･リシュイエンシス_Zhejiangosaurus lishuiensis。右はまだ名前が付いていないアンキロサウルス科だそうです。
今回、個人的に一番ビックリしたのが、このジェジアンゴサウルスです。
2007年から2008年にかけて日本各地で開催されて「恐竜大陸」というイベントでも展示されてた恐竜ではあるのですが、その時は何故か「ノドサウルス科と表記されているのに、尻尾の先にハンマーがある」という意味のわからない状態だったんです。
キャプションではハンマーがないのでノドサウルス科って書いてあるのに…
それが、いつの間にか尻尾のハンマーを失くし、顔も若干ほっそりして出てきたもんだから、ね。
エステでも行った？