トリケラトプス(5) 成長に伴う頭部の変化
- 2014/11/05
- 10:07
福井県立恐竜博物館から始まり、大阪、横浜と廻った『新説 恐竜の成長』展で、トリケラトプスの成長による頭部の変化が詳しく紹介されていました。
この展覧会は、モンタナ州立大学付属ロッキー博物館のジャック・ホーナー博士の仮説に基づいて、恐竜が成長によってどんな風に変化していくかを説明するものでした。中にはトロサウルスが熟成したトリケラトプスである、ナノティランヌスはティラノサウルスの成長段階の1つ、スティギモロクはパキケファロサウルスである、など、異論のある仮説もありますが、かなり興味深い内容です。
この中で、トリケラトプスの各成長段階別の頭骨を一堂に会した展示は圧巻でした。説明によると、トリケラトプスは生まれてすぐのかなり小さな時点で、既に角を持っていたそうです。その後、角は目の上に向かって反り返る様に伸びていきます。頭骨が50cmを超える頃には前方に向かっていくそうです。また、フリルの縁にあるトゲ(縁後頭骨)は、小さな頃はしっかりと尖っていますが、成長するに従いフリルと一体化していき、最終的には殆ど目立たなくなると言います。


ごく小さな個体から、ほぼ大人になった個体までの変化
これらの成長に伴う頭部の変化から推論される事として、角の用途の説明がありました。
角の機能として、現生のシカ類などの様に、オスがメスに対してディスプレイに使ったのではないかというのは素人でも思いつく事ですが、生まれてすぐの個体に既に角が見られる事、オスとメスで角や縁後頭骨等のオーナメントに明瞭な差がない事から、角は異性を引き付けるディスプレイとしての機能はなかったと考えられるそうです。
また、角は年を経るに従い、内部が空洞化していく為、天敵や仲間同士の争いに使用するには強度が足りなかったとしています(ただし、トリケラトプスは、他の角竜に比べて頭部に傷が多く残っており、同種間での角を用いた戦いが激しかったとする説もあります)。
これらの事から、ホーナー博士はトリケラトプスの角は群れの中で各個体の成長段階を知らせるシグナル、種の認識として機能したと結論しています。
参考文献:「新説 恐竜の成長」図録
この展覧会は、モンタナ州立大学付属ロッキー博物館のジャック・ホーナー博士の仮説に基づいて、恐竜が成長によってどんな風に変化していくかを説明するものでした。中にはトロサウルスが熟成したトリケラトプスである、ナノティランヌスはティラノサウルスの成長段階の1つ、スティギモロクはパキケファロサウルスである、など、異論のある仮説もありますが、かなり興味深い内容です。
この中で、トリケラトプスの各成長段階別の頭骨を一堂に会した展示は圧巻でした。説明によると、トリケラトプスは生まれてすぐのかなり小さな時点で、既に角を持っていたそうです。その後、角は目の上に向かって反り返る様に伸びていきます。頭骨が50cmを超える頃には前方に向かっていくそうです。また、フリルの縁にあるトゲ(縁後頭骨)は、小さな頃はしっかりと尖っていますが、成長するに従いフリルと一体化していき、最終的には殆ど目立たなくなると言います。


ごく小さな個体から、ほぼ大人になった個体までの変化
これらの成長に伴う頭部の変化から推論される事として、角の用途の説明がありました。
角の機能として、現生のシカ類などの様に、オスがメスに対してディスプレイに使ったのではないかというのは素人でも思いつく事ですが、生まれてすぐの個体に既に角が見られる事、オスとメスで角や縁後頭骨等のオーナメントに明瞭な差がない事から、角は異性を引き付けるディスプレイとしての機能はなかったと考えられるそうです。
また、角は年を経るに従い、内部が空洞化していく為、天敵や仲間同士の争いに使用するには強度が足りなかったとしています(ただし、トリケラトプスは、他の角竜に比べて頭部に傷が多く残っており、同種間での角を用いた戦いが激しかったとする説もあります)。
これらの事から、ホーナー博士はトリケラトプスの角は群れの中で各個体の成長段階を知らせるシグナル、種の認識として機能したと結論しています。
参考文献:「新説 恐竜の成長」図録
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