トリケラトプス(6) 外観
- 2014/11/06
- 10:12
トリケラトプスは生きていた時、どんな外観をしていたのでしょう。
角やクチバシ、爪がケラチン質で覆われていた事は想像に難くありませんが、皮膚はどんな風だったのか、比較的最近まで知られていませんでした。2002年にワイオミング州で発見されたトリケラトプスに皮膚の印象(皮膚そのものが化石になった訳ではなく、砂や泥に皮膚の痕跡が残っていた)が残っており、トリケラトプスの皮膚の様子が判明しました。この皮膚の印象化石から、トリケラトプスはウロコに覆われていた事が確認されています。また、ウロコは魚の様に重なり合うものではなく、鳥の足のウロコの様にモザイク状で、一部の物には中央に穴が認められました。これは、何か繊維状の構造物があった痕跡ではないかと推測されます。
中国で発見された角竜の遠い祖先であるヘテロドントサウルス類のティアニュロングという恐竜の化石には繊維状の構造物(羽毛か、ヤマアラシの様なケラチン質のトゲか現状は確定していない)が認められますし、原始的な角竜の一種のプシッタコサウルスにも同様の構造物が認められる為、トリケラトプスも同様に繊維状の構造物を生やしていた可能性が高いと考えられます。また、皮骨と呼ばれる鎧が背中に散りばめられていました。腹側にはワニの様な長方形のウロコで覆われていた様です。

ティアニュロング。写真中央下方に繊維状の構造物の痕跡が見えます。

プシッタコサウルスの一種。尻尾の上側に繊維状の構造物の痕跡があります。
頭部については、沢山の血管の痕があり、また骨の内部にシャーピー線維束という筋肉や靭帯、角質で覆われる個所に特有の微細構造が見られる為、広範囲に亘って角質で覆われていたという説をジャック・ホーナー博士が提唱していますが、実際にはウロコで覆われていたそうです。ただ、従来考えられていたよりも角質で覆われていた範囲は広かった様です。
これらの外観的な発見と、前脚の付き方の新説に従って描いてみたのが下図です。なんというか、非常に気持ち悪い生き物になってしまいました。が、新たな発見によって恐竜は今も進化していると前向きに捉える事にします。

参考文献:「最新恐竜学レポート」金子隆一著 洋泉社、「新説 恐竜の成長」図録、「恐竜博2011」図録
角やクチバシ、爪がケラチン質で覆われていた事は想像に難くありませんが、皮膚はどんな風だったのか、比較的最近まで知られていませんでした。2002年にワイオミング州で発見されたトリケラトプスに皮膚の印象(皮膚そのものが化石になった訳ではなく、砂や泥に皮膚の痕跡が残っていた)が残っており、トリケラトプスの皮膚の様子が判明しました。この皮膚の印象化石から、トリケラトプスはウロコに覆われていた事が確認されています。また、ウロコは魚の様に重なり合うものではなく、鳥の足のウロコの様にモザイク状で、一部の物には中央に穴が認められました。これは、何か繊維状の構造物があった痕跡ではないかと推測されます。
中国で発見された角竜の遠い祖先であるヘテロドントサウルス類のティアニュロングという恐竜の化石には繊維状の構造物(羽毛か、ヤマアラシの様なケラチン質のトゲか現状は確定していない)が認められますし、原始的な角竜の一種のプシッタコサウルスにも同様の構造物が認められる為、トリケラトプスも同様に繊維状の構造物を生やしていた可能性が高いと考えられます。また、皮骨と呼ばれる鎧が背中に散りばめられていました。腹側にはワニの様な長方形のウロコで覆われていた様です。

ティアニュロング。写真中央下方に繊維状の構造物の痕跡が見えます。

プシッタコサウルスの一種。尻尾の上側に繊維状の構造物の痕跡があります。
頭部については、沢山の血管の痕があり、また骨の内部にシャーピー線維束という筋肉や靭帯、角質で覆われる個所に特有の微細構造が見られる為、広範囲に亘って角質で覆われていたという説をジャック・ホーナー博士が提唱していますが、実際にはウロコで覆われていたそうです。ただ、従来考えられていたよりも角質で覆われていた範囲は広かった様です。
これらの外観的な発見と、前脚の付き方の新説に従って描いてみたのが下図です。なんというか、非常に気持ち悪い生き物になってしまいました。が、新たな発見によって恐竜は今も進化していると前向きに捉える事にします。

参考文献:「最新恐竜学レポート」金子隆一著 洋泉社、「新説 恐竜の成長」図録、「恐竜博2011」図録
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