アロサウルス上科について(7)_カルカロドントサウルス科_マプサウルス
- 2015/11/29
- 02:42
マプサウルス・ロゼアエ( Mapusaurus roseae )はアルゼンチンで発見されたカルカロドントサウルス科の超大型獣脚類で、ギガノトサウルス( Giganotosaurus carolinii )に最も近縁とされる恐竜です。
名前の響きは何となく滑稽ですが、その名は原住民マプチェ族の言葉で『大地』を意味しており、『大地のトカゲ(あるいは地球のトカゲ)』というスケールの大きな恐竜です。種小名は発見された地層がバラ色をしていた事と、発見者がローズさんだった事にかけているそうです。
ギガノトサウルスと比べると、ややほっそりしているそうですが、体長の最大見積もりは13mに達し、最大の獣脚類の1つです。
注目すべきは、マプサウルスがボーンベッドの状態で発見された事。
300以上の骨が見つかっているそうで、その中から同じ骨が幾つあるか確認したところ、脛骨が7つ見つかり、少なくとも7個体が含まれていた事が分かっています。また、骨の大きさの比較から、最大サイズの個体は13m、最小個体で6mだったと推測されています。他の恐竜の骨は見つかっていない為、水の流れで死体が流れ着いた場所だったのではないと考えられています。
全身復元骨格が組まれており、日本でも2009年~2010年にかけて開催された「大恐竜展」で展示されました。また、名古屋市科学館には成体と子供の骨格が常設展示されています。
しかし、マプサウルスの復元骨格はヒドいデキです。
頭骨が異常な程デカいのに、首が細くて短く真っ直ぐで、とてもテタヌラ類の首には見えません。
前肢が小さいのはその通りの様ですが、肩甲骨が異様に小さい様に見えます。
また、骨盤の内、背骨を挟んでいる腸骨が前後に短くて、体サイズに対して小さすぎる気がします。あんなんで、9tにも達したという体重を支えつつ歩けるのか、はなはだ疑問に思います。
そして尻尾。カルカロドントサウルス科はアロサウルス上科なんだから、もっと長いはず。また、頭がとんでもなくデカいんだから、バランスをとる為にももっと長いと思う。ティラノサウルスのプロポーションに引きずられたか?
復元骨格を見る度に、「コイツ、1歩踏み出す度に頭がガックンガックンするんだろーなー」と、いらぬ心配をしてしまいます。

2009年に科博で開催された「大恐竜展」より。鼻先がえらく尖がってますが、実際は前上顎骨は見つかってないみたいなので、こんなトンガリやスネ夫みたいな顔してたのかは不明です。
ギガノトサウルスといい、マプサウルスといい、復元骨格を見ると生き物として違和感を感じますよね。
やはり、【世界最大の肉食恐竜】のタイトルをティラノサウルスから奪おうとするあまり、手心が加わったんじゃないかという気がしてなりません。
今回は、マプサウルスをカッコ良く描きたいというコンセプトのもと、想像図を描き上げました。

コレ描くのに復元骨格を一切参考にしていないという(笑
頭部は記載論文から、体はスコット・ハートマン博士のギガノトサウルスの骨格図を参考に。
下顎の先端が膨らんでいるところがカルカロドントサウルス科の特徴の1つですね。
参考文献:Currie, PJ (2006). "A new carcharodontosaurid (Dinosauria, Theropoda) from the Upper Cretaceous of Argentina" 、「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」図録
名前の響きは何となく滑稽ですが、その名は原住民マプチェ族の言葉で『大地』を意味しており、『大地のトカゲ(あるいは地球のトカゲ)』というスケールの大きな恐竜です。種小名は発見された地層がバラ色をしていた事と、発見者がローズさんだった事にかけているそうです。
ギガノトサウルスと比べると、ややほっそりしているそうですが、体長の最大見積もりは13mに達し、最大の獣脚類の1つです。
注目すべきは、マプサウルスがボーンベッドの状態で発見された事。
300以上の骨が見つかっているそうで、その中から同じ骨が幾つあるか確認したところ、脛骨が7つ見つかり、少なくとも7個体が含まれていた事が分かっています。また、骨の大きさの比較から、最大サイズの個体は13m、最小個体で6mだったと推測されています。他の恐竜の骨は見つかっていない為、水の流れで死体が流れ着いた場所だったのではないと考えられています。
全身復元骨格が組まれており、日本でも2009年~2010年にかけて開催された「大恐竜展」で展示されました。また、名古屋市科学館には成体と子供の骨格が常設展示されています。
しかし、マプサウルスの復元骨格はヒドいデキです。
頭骨が異常な程デカいのに、首が細くて短く真っ直ぐで、とてもテタヌラ類の首には見えません。
前肢が小さいのはその通りの様ですが、肩甲骨が異様に小さい様に見えます。
また、骨盤の内、背骨を挟んでいる腸骨が前後に短くて、体サイズに対して小さすぎる気がします。あんなんで、9tにも達したという体重を支えつつ歩けるのか、はなはだ疑問に思います。
そして尻尾。カルカロドントサウルス科はアロサウルス上科なんだから、もっと長いはず。また、頭がとんでもなくデカいんだから、バランスをとる為にももっと長いと思う。ティラノサウルスのプロポーションに引きずられたか?
復元骨格を見る度に、「コイツ、1歩踏み出す度に頭がガックンガックンするんだろーなー」と、いらぬ心配をしてしまいます。

2009年に科博で開催された「大恐竜展」より。鼻先がえらく尖がってますが、実際は前上顎骨は見つかってないみたいなので、こんなトンガリやスネ夫みたいな顔してたのかは不明です。
ギガノトサウルスといい、マプサウルスといい、復元骨格を見ると生き物として違和感を感じますよね。
やはり、【世界最大の肉食恐竜】のタイトルをティラノサウルスから奪おうとするあまり、手心が加わったんじゃないかという気がしてなりません。
今回は、マプサウルスをカッコ良く描きたいというコンセプトのもと、想像図を描き上げました。

コレ描くのに復元骨格を一切参考にしていないという(笑
頭部は記載論文から、体はスコット・ハートマン博士のギガノトサウルスの骨格図を参考に。
下顎の先端が膨らんでいるところがカルカロドントサウルス科の特徴の1つですね。
参考文献:Currie, PJ (2006). "A new carcharodontosaurid (Dinosauria, Theropoda) from the Upper Cretaceous of Argentina" 、「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」図録
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