ティラノサウルス科_アルバートサウルス(1) 発見と命名
- 2014/11/18
- 09:00
※2016.09.10 写真と文章を追加。


アルバートサウルスの頭骨と頭部の想像図。
2009年に開催された『恐竜博2009~砂漠の奇跡~』より。

2016年に群馬県立自然史博物館で開催された『超肉食恐竜 T・rex』展で展示されたアルバートサウルスの頭骨。
上の写真の頭骨と比較すると、鼻先や下顎が華奢に見えます。また、涙骨の突起がより発達している様に思えます。成長段階の違いでしょうか。
アルバートサウルス( Albertosaurus sarcophagus アルベルトサウルスとも)は、1884年にカナダのアルバータ州にあるレッド・ディア川周辺のバッドランドで、カナダ地質学研究所のジョセフ・バー・ティレル博士(世界最大の恐竜専門博物館、ロイヤル・ティレル博物館の名前はティレル博士にちなんだものです)によって発見されたティラノサウルス科の恐竜です。最初に発見されたのは下顎の骨でした。1889年にもそれ程完全ではない頭骨がトーマス・ウェストン氏により発見されました。
これらの化石はエドワード・ドリンカー・コープ博士によって1892年にラエラプス・インクラッサトゥス( Laelaps incrassatus )と命名されました。
※このラエラプスという名はギリシャ神話に出てくるどんな獲物でも必ず捕まえる事ができる猟犬の名前で、コープ博士はまだティラノサウルス類がどんな生き物なのか分からなかった当時、分離した断片的な肉食恐竜の化石を詰め込んだ属名です。現在では、ティラノサウルス類、ダチョウ恐竜類、ドロマエオサウルス類等、色々な種類が混ぜ込まれている事が分かっています。また、ラエラプスという名前自体が現生のダニに使われている事もあり、現在では無効名となっています。
1903年にカナダ地質学研究所のローレンス・モリス・ランベ博士が上記の化石を研究し、ラエラプスに代わって使用されたマーシュ博士の「ドリプトサウルス」に改名しました。
1905年、アメリカ自然史博物館のヘンリー・F・オズボーン博士は、先の2点の化石について、ティラノサウルスを記載した論文中で、アルバートサウルス・サルコファグス_Albertosaurus sarcophagus (属名はアルバータ州のトカゲ、種小名は肉を喰らうものの意味)と改名しました。これは、それまでコープ博士がラエラプスと呼んだ化石よりも、アルバートサウルスの化石の方が新しい地層から発見されているので、同じ動物ではないと判断した為です。
参考文献:「恐竜学最前線9」 学研


アルバートサウルスの頭骨と頭部の想像図。
2009年に開催された『恐竜博2009~砂漠の奇跡~』より。

2016年に群馬県立自然史博物館で開催された『超肉食恐竜 T・rex』展で展示されたアルバートサウルスの頭骨。
上の写真の頭骨と比較すると、鼻先や下顎が華奢に見えます。また、涙骨の突起がより発達している様に思えます。成長段階の違いでしょうか。
アルバートサウルス( Albertosaurus sarcophagus アルベルトサウルスとも)は、1884年にカナダのアルバータ州にあるレッド・ディア川周辺のバッドランドで、カナダ地質学研究所のジョセフ・バー・ティレル博士(世界最大の恐竜専門博物館、ロイヤル・ティレル博物館の名前はティレル博士にちなんだものです)によって発見されたティラノサウルス科の恐竜です。最初に発見されたのは下顎の骨でした。1889年にもそれ程完全ではない頭骨がトーマス・ウェストン氏により発見されました。
これらの化石はエドワード・ドリンカー・コープ博士によって1892年にラエラプス・インクラッサトゥス( Laelaps incrassatus )と命名されました。
※このラエラプスという名はギリシャ神話に出てくるどんな獲物でも必ず捕まえる事ができる猟犬の名前で、コープ博士はまだティラノサウルス類がどんな生き物なのか分からなかった当時、分離した断片的な肉食恐竜の化石を詰め込んだ属名です。現在では、ティラノサウルス類、ダチョウ恐竜類、ドロマエオサウルス類等、色々な種類が混ぜ込まれている事が分かっています。また、ラエラプスという名前自体が現生のダニに使われている事もあり、現在では無効名となっています。
1903年にカナダ地質学研究所のローレンス・モリス・ランベ博士が上記の化石を研究し、ラエラプスに代わって使用されたマーシュ博士の「ドリプトサウルス」に改名しました。
1905年、アメリカ自然史博物館のヘンリー・F・オズボーン博士は、先の2点の化石について、ティラノサウルスを記載した論文中で、アルバートサウルス・サルコファグス_Albertosaurus sarcophagus (属名はアルバータ州のトカゲ、種小名は肉を喰らうものの意味)と改名しました。これは、それまでコープ博士がラエラプスと呼んだ化石よりも、アルバートサウルスの化石の方が新しい地層から発見されているので、同じ動物ではないと判断した為です。
参考文献:「恐竜学最前線9」 学研
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