【恐竜の大移動】展感想 その4

最後、ティラノサウルス類。

ビスタヒエヴェルソル（ Bistahieversor sealeyi 　）。
右隣にティラノサウルスのスタンの頭骨がありましたが、そちらと比較すると上下に肥厚した鼻骨が良く分かります。
他のティラノサウルス類より歯が多いという事ですが、下顎には歯が残ってないんですね。
あと、本種は目の上に余分な開口部を持つと言いますが、そんな孔はないなぁ。眼窩がまん丸で大きいのが印象的です。


リトロナクスの記載時の系統解析では、ビスタヒエヴェルソルはティラノサウルスにかなり近縁な種とされていましたが、2016年のステファン･ブルサッテ博士とトーマス･カー博士による再解析では最節約法でもベイズ法でもティラノサウルス科の外に出されてしまっています（逆にアリオラムスやチェンゾウサウルスがティラノサウルス科に含まれている）。
確かに、南方系ティラノサウルス類のリトロナクス、テラトフォネウスと比較すると歯が多かったりして、若干毛色が違う感じがしますね。

こちらはビスタヒエヴェルソルのロボット。相当にデキが良いです。瞬きしながら睨んでこられると怖いですね。
過去記事でもうちょっと詳しく書いてみてますので、宜しければご覧下さい⇒過去記事

他にティラノサウルス類としては、ラプトレックス（ Raptorex kriegsteini ）、タルボサウルス（ Tarbosaurus bataar ）が展示されていました。

個人的に良かったのがズケンティランヌス（ Zhuchengtyrannus magnus ）。


上顎骨は【恐竜王国2012】でも展示されていましたが、歯骨はなかった気がします。かなり大きい上に、ティラノサウルス科ってすぐ分かる形ですね。隣にタルボサウルスが展示されていましたが、サイズ、形状ともに良く似ています。
ズケンティランヌスについても過去に記事にしてまので、宜しければご覧下さい。⇒過去記事

ビスタヒエヴェルソルはペンタケラトプスを、ズケンティランヌスはシノケラトプスを狩っていた可能性がある様です。
タルボサウルスのみケラトプス科と共存していなかったのは意外ですが、プロトケラトプスなら狩り放題だったんでしょうか。

お終い。