『超肉食恐竜 T・rex EpisodeⅡ』感想 その2

一気に描くと冗長になってしまいますので、2回に分ける事にしました。

さて、EpisodeⅠから追加になった標本が幾つかあります。

まずはラプトレックス（ Raptorex kriegsteini ）。最初は白亜紀前期の地層から発見された化石ではないかとされ、ティラノサウルス類の進化の道筋を示す重要な標本とされたもの。その後の研究では、一緒に埋まっていた微細な化石の同定結果から白亜紀後期の化石であり、おそらくタルボサウルスの子供じゃないかと言われてますね。

ただ、右隣にタルボサウルスの子供の頭骨が置かれてますが、それと比べると後眼窩窓の形が"B"字型をしてないな～、とか違いがある様に思えました。

ダスプレトサウルス（ Daspletosaurus sp. ）。隣にゴルゴサウルス（ Gorgosaurus libratus ）の頭骨もありますが、大きさが良くわかります。

D.トロススと書かれていましたが、これはダスプレトサウルス sp. と考えるべきとされる標本ですよね。

もう1点追加になった標本、リトロナクス（ Lythronax argestes ライスロナックスとも）。
2015年のメガ恐竜展ではティラノサウルスの陰になってしまっていて全身が分かりにくかったんですが、今回は前にいるので、全身が良く見えます。

キャプションによると、リトロナクスは2つ分の標本が発見されており、この全身骨格は小さい方の個体から組まれたものだそうです。確かに、後ろのティラノサウルスと比べると、ティラノサウルスの尻尾と大体同じ位なんで、6m位しかなさそう。大きい方の推定体長はもう少し大きくて8m位まで成長した様です。

最後に、今回の展示物の中で一番ビビったブツ。

なんと、ティムルレンギア（ Timurlengia euotica ）！！2016年に記載されたばかりの新種です。
尾椎のみの展示ですが、まさかこれが置いてあるとは夢にも思わなかったので、びっくりしました。
ティムルレンギアはウズベキスタンで発見された9000万年前のティラノサウルス類で、彼らの進化を論じる上で重要な発見と言います。発見されている部位は少なく、全身像は良く分かりませんが、脳函が発見されており脳のエンドキャストが得られています。その研究から、他の大型獣脚類よりも発達した脳を持っていた事が分かり、これがティラノサウルス類を優秀な捕食者たらしめた要因ではないかとされます。

いや、規模はそれ程大きくはないんですが、本邦初公開の標本が多すぎでしょう(;・∀・)
これは絶対見といて損はないですよ。