幻獣の名を冠する恐竜シリーズ23 スティギモロク(2)_元ネタ
- 2017/03/17
- 21:19
モロク(Moloch)は古代にヨルダン東部に住んでいたセム族のアモン人によって崇拝された神です。アモン人はエジプト系の民族だそうで、モロクも、もともとは、メレクと呼ばれていたそうです。これはヘブライ語で「王」を意味する言葉だそうですが、後にヘブライ語の「ボーシェス=恥」の母音を合体して蔑称のモレクに変化したと言います。これがギリシャ語化した事でモロクと変化したそうです。
モロクは「涙の国の君主」とも呼ばれます。涙の国というのが何なのかは良く分かりませんが、人身御供を求める神なので、捧げられた者の親族が涙を流したという事なのでしょか。中世ヨーロッパの悪魔学者によれば、地獄の騎士団の指揮官ともされます。
アモン人はモロクを象ったブロンズ像を造り、これに生贄を捧げていたと言います。その姿は子牛そっくりの頭部に王冠を被った人間の姿をしていたらしいです。このブロンズ像はモロクの聖所であるエルサレムのヒノムの谷にあり、ここをゲヘナと読んだそうで、後にゲヘナはキリスト教における地獄の代名詞になったそうです。
コラン・ド=プランシーの著作「地獄の辞典」には、M.L.ブルトンによる挿絵がありますが、中世ヨーロッパの王様みたいな恰好をした牛人間として描かれています。これが現代だとモロクの代表的なイメージではないかと思います。因みに、M.L.ブルトンの挿絵は、水木しげる御大も模写されてますね。アスモデウスやブエルなんか、まんまです。

モロクを象ったブロンズ像の内部には7つの戸棚が設けられていたと言います。それらは、順番に小麦粉、キジバト、牝羊、牝山羊、仔牛、牝牛、そして最後の棚は子供(新生児~6歳児くらい)を生贄として捧げる為のものだったとか。モロクに捧げられた子供は生きたまま焼き殺されたとされますが、その際、司祭たちは太鼓や色々な楽器を大音量で鳴らしたと言います。これは生贄にされた子供の声をかき消す為だったそうです。
この様な性質の為、モロクは旧約聖書、新約聖書を通して忌むべき邪神として記されていると言います。レビ記には「モロクに子供を捧げる事」は石打ちという処刑の対象になると記されている様です。
中世以降は、モロクはカルタゴの主神バアル・ハモンと同一視される様になったそうです。これは、バアル・ハモンも生贄を求める神であった事が要因であった様です。
モロクの名が、モロクトカゲやスティギモロクに採用されたのは無数のトゲを生やした姿がモロクの様だった為、といいます。
参考文献:「地獄の辞典」C・ド=プランシー著 講談社+α文庫、「西洋魔物図鑑」江口之隆著 翔泳社、「金子一馬画集Ⅱ」新紀元社、Wikipedia「モレク」
モロクは「涙の国の君主」とも呼ばれます。涙の国というのが何なのかは良く分かりませんが、人身御供を求める神なので、捧げられた者の親族が涙を流したという事なのでしょか。中世ヨーロッパの悪魔学者によれば、地獄の騎士団の指揮官ともされます。
アモン人はモロクを象ったブロンズ像を造り、これに生贄を捧げていたと言います。その姿は子牛そっくりの頭部に王冠を被った人間の姿をしていたらしいです。このブロンズ像はモロクの聖所であるエルサレムのヒノムの谷にあり、ここをゲヘナと読んだそうで、後にゲヘナはキリスト教における地獄の代名詞になったそうです。
コラン・ド=プランシーの著作「地獄の辞典」には、M.L.ブルトンによる挿絵がありますが、中世ヨーロッパの王様みたいな恰好をした牛人間として描かれています。これが現代だとモロクの代表的なイメージではないかと思います。因みに、M.L.ブルトンの挿絵は、水木しげる御大も模写されてますね。アスモデウスやブエルなんか、まんまです。

モロクを象ったブロンズ像の内部には7つの戸棚が設けられていたと言います。それらは、順番に小麦粉、キジバト、牝羊、牝山羊、仔牛、牝牛、そして最後の棚は子供(新生児~6歳児くらい)を生贄として捧げる為のものだったとか。モロクに捧げられた子供は生きたまま焼き殺されたとされますが、その際、司祭たちは太鼓や色々な楽器を大音量で鳴らしたと言います。これは生贄にされた子供の声をかき消す為だったそうです。
この様な性質の為、モロクは旧約聖書、新約聖書を通して忌むべき邪神として記されていると言います。レビ記には「モロクに子供を捧げる事」は石打ちという処刑の対象になると記されている様です。
中世以降は、モロクはカルタゴの主神バアル・ハモンと同一視される様になったそうです。これは、バアル・ハモンも生贄を求める神であった事が要因であった様です。
モロクの名が、モロクトカゲやスティギモロクに採用されたのは無数のトゲを生やした姿がモロクの様だった為、といいます。
参考文献:「地獄の辞典」C・ド=プランシー著 講談社+α文庫、「西洋魔物図鑑」江口之隆著 翔泳社、「金子一馬画集Ⅱ」新紀元社、Wikipedia「モレク」
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