アンガトラマ_Angaturama limai
- 2017/05/16
- 22:23
今回も昔描いたイラストで誤魔化すコーナー。

アンガトラマ(アンガトゥラマ Angaturama limai )はブラジルのセアラ州アラリペ盆地で発見されたスピノサウルス科の恐竜です。1996年2月にサンタナ累層から発見された頭骨の前半分を元にアレクサンダー・ケルナー博士らによって記載されました。
吻部は左右の幅が非常に狭く、歯は円錐形で表面に縦筋がありワニの歯に良く似ているそうです。全長約8mと見積もられ、白亜紀前期アルビアン期に生息していました。系統解析によると、スピノサウルス類の中でもスピノサウルスに近縁でスピノサウルス亜科に含まれる様です。
Wikipediaの英語版「イリタトル」のページを見ると、アンガトラマの化石は後の研究で全身の60%が見つかっていると書いてありますが、図版も見つからず、良くわかりませんでした。「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」の図録によると、背中の棘突起が高く帆があったという様な事が書いてありますので、脊椎は見つかっているのかもしれないです。
名前はトゥピ族の言葉で「勇者」とか「高貴なもの」といった様な意味だそうで、種小名は化石についてケルナー博士に知らせたMurilo R. de Lima氏に献名されたものだそうです。
復元された全身骨格はリオデジャネイロ国立博物館に展示されていますが、日本でも国立科学博物館で開催された「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」で展示された事があります。

同じ会場で展示されたアルゼンチン製のマプサウルスの全身骨格と比べると(比べるのも悲しくなるほど)出来がいいレプリカでしたね。ブラジルもなかなかやるもんだと思います。が、スタウリコサウルスを見るとそうでもないのかな。
さて、アンガトラマは全身骨格まで組まれている割に、あまりメジャーな恐竜ではない気がします。
というのも、同じくスピノサウルス科に含まれるイリタトル(イリテーターとも Irritator challengeri )と同じ恐竜だと考えられている為だと思われます。
イリタトルは頭骨の後ろ側のみから知られるスピノサウルス類で、唯一の標本はUSP GP / 2T-5とナンバリングされてサンパウロ大学に収蔵されているそうですが、この標本は違法に持ち出された化石の様で、これを売りつけた業者は見栄えを良くする為に石膏で修正しまくっていたそうです。この為、化石を研究したデイヴィッド・マーティル博士らは中々石膏がはがれなくて大変イラつかされた様で、「イラつかせるもの=イリテーター」と名付けてしまったとか。種小名はアーサー・コナン・ドイル御大が書かれたロストワールドのチャレンジャー博士に因んで命名されました。
後の研究では、イリタトルとアンガトラマは同じ時代・場所に生息していた事から、同じ動物であると見なされる様になりました。イリタトルの記載もアンガトラマと同じ1996年ですが、イリタトルの方が1か月早く命名されていた為、イリタトルに先取権があるらしいです。この為か、図鑑等でもイリタトルは見かけますが、アンガトラマが載っている事はほとんどないです。
アンガトラマの命名者であるケルナー博士は、アンガトラマとイリタトルは別の動物であり、アンガトラマは有効であると主張しているそうですが、さて。。。
参考文献:「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」図録、英語版Wikipedia「Irritator」

アンガトラマ(アンガトゥラマ Angaturama limai )はブラジルのセアラ州アラリペ盆地で発見されたスピノサウルス科の恐竜です。1996年2月にサンタナ累層から発見された頭骨の前半分を元にアレクサンダー・ケルナー博士らによって記載されました。
吻部は左右の幅が非常に狭く、歯は円錐形で表面に縦筋がありワニの歯に良く似ているそうです。全長約8mと見積もられ、白亜紀前期アルビアン期に生息していました。系統解析によると、スピノサウルス類の中でもスピノサウルスに近縁でスピノサウルス亜科に含まれる様です。
Wikipediaの英語版「イリタトル」のページを見ると、アンガトラマの化石は後の研究で全身の60%が見つかっていると書いてありますが、図版も見つからず、良くわかりませんでした。「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」の図録によると、背中の棘突起が高く帆があったという様な事が書いてありますので、脊椎は見つかっているのかもしれないです。
名前はトゥピ族の言葉で「勇者」とか「高貴なもの」といった様な意味だそうで、種小名は化石についてケルナー博士に知らせたMurilo R. de Lima氏に献名されたものだそうです。
復元された全身骨格はリオデジャネイロ国立博物館に展示されていますが、日本でも国立科学博物館で開催された「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」で展示された事があります。

同じ会場で展示されたアルゼンチン製のマプサウルスの全身骨格と比べると(比べるのも悲しくなるほど)出来がいいレプリカでしたね。ブラジルもなかなかやるもんだと思います。が、スタウリコサウルスを見るとそうでもないのかな。
さて、アンガトラマは全身骨格まで組まれている割に、あまりメジャーな恐竜ではない気がします。
というのも、同じくスピノサウルス科に含まれるイリタトル(イリテーターとも Irritator challengeri )と同じ恐竜だと考えられている為だと思われます。
イリタトルは頭骨の後ろ側のみから知られるスピノサウルス類で、唯一の標本はUSP GP / 2T-5とナンバリングされてサンパウロ大学に収蔵されているそうですが、この標本は違法に持ち出された化石の様で、これを売りつけた業者は見栄えを良くする為に石膏で修正しまくっていたそうです。この為、化石を研究したデイヴィッド・マーティル博士らは中々石膏がはがれなくて大変イラつかされた様で、「イラつかせるもの=イリテーター」と名付けてしまったとか。種小名はアーサー・コナン・ドイル御大が書かれたロストワールドのチャレンジャー博士に因んで命名されました。
後の研究では、イリタトルとアンガトラマは同じ時代・場所に生息していた事から、同じ動物であると見なされる様になりました。イリタトルの記載もアンガトラマと同じ1996年ですが、イリタトルの方が1か月早く命名されていた為、イリタトルに先取権があるらしいです。この為か、図鑑等でもイリタトルは見かけますが、アンガトラマが載っている事はほとんどないです。
アンガトラマの命名者であるケルナー博士は、アンガトラマとイリタトルは別の動物であり、アンガトラマは有効であると主張しているそうですが、さて。。。
参考文献:「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」図録、英語版Wikipedia「Irritator」
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