ドロマエオサウルス類の中で、これまで見た事のある仲間をぼつぼつ紹介していきます。
ドロマエオサウルス類といえば、大きめの脳、長く物が掴める前脚、後脚の第2趾の巨大なツメ、腱で強化された曲がらない尻尾等で特徴付けられる恐竜達です。やはりジュラシックパークの〝ラプトル″のイメージが強いでしょうか。個人的に大好きな系統です。
まずは、基盤的な仲間、ルアンチュアンラプトル・ヘナネンシス(
Luanchuanraptor henanensis )。
学名:
Luanchuanraptor henanensis体長:2.4m 体重:??? 名前の意味:属名「欒川の泥棒」、種小名「河南省の」
発見地:中国河南省欒川県 発見地層:Qiupa累層(後期白亜紀)
標本番号:4HIII-0100(4つの歯、前頭骨、頸椎、胴椎、尾椎、肋骨、血道弓、前腕部など)
特徴:中国の東北部以外で初めて発見された確実なドロマエオサウルス類。現在までに発見されている白亜紀後期の東アジアのドロマエオサウルス類では最南端に生息していた種であり、ドロマエオサウルス類の分布が南アジアまで広がっていた可能性を示唆する。


2017年のギガ恐竜展で日本初公開となった訳ですが、頭部が見つかってないからって、ここまでやる気のないハリボテにしなくってもいいじゃないか、というレベルの復元骨格でした。悲しい程出来が悪いキャストです。
続いて、ドロマエオサウルス類の中では基盤的な仲間であるウネンラギア亜科から幾つか。
ラホナヴィス・オストロミ。
学名:
Rahonavis ostromi体長:70cm 体重:??? 名前の意味:属名「(マダガスカル語)雲の+(ラテン語)鳥」、種小名「ジョン・オストロム博士に献名」
発見地:マダガスカル共和国北西部 発見地層: Maevarano累層(後期白亜紀マーストリヒト期7000万年前)
標本番号:UA8656(頸椎1つ、肩甲骨、下腕部、胴椎、骨盤、後肢、尾椎など)
特徴:後肢の第2趾が大きい事、尻尾が長く腱で固定されている事等からドロマエオサウルス類、特にウネンラギア亜科と密接な関係があるとされたが、2009年以降は系統的にドロマエオサウルス類よりも更に鳥類に近いとされる。


恐竜博2005にて日本初公開となったラホナヴィス。実際に発見されている部分が濃い茶色となっています。頭部は未発見だった為、始祖鳥に似せて復元された様です。もしもウネンラギア亜科ならもっと細長い顔をしていたと思われますが、さて、実際はどうだったんでしょうか。
お次はウネンラギア・コマフエンシス(
Unenlagia comahuensis )。
学名:
Unenlagia comahuensis体長:2~3.5m 体重:75kg? 名前の意味:属名「(マプチェ族の言葉で)半分の鳥」、種小名「Comahue(アルゼンチンの地域名)の」
発見地:アルゼンチン共和国ネウケン州Sierra del Portezuelo 発見地層: Portezuelo累層(後期白亜紀チューロン期)
標本番号:MCF PVPH 78 (脊椎、仙骨、肋骨、血道弓、肩甲骨、上腕骨、部分骨盤、大腿骨および脛骨など)
特徴:腸骨がアルカエオプテリクスに類似する、肩甲骨と上腕骨の関節の仕方が鳥類に酷似する(上腕骨の骨頭が関節する肩甲骨の凹みが、大部分の恐竜では下方を向くのに対し、ウネンラギアでは外側を向く)等の特徴がある。肩帯の造りからウネンラギアは他の獣脚類よりも高い位置に腕を上げる事ができたと考えられる。ただし、体サイズから飛翔はできなかったとされている。
ウネンラギアには2種が含まれ、U.
comahuensisは1997年に記載された。第2の種、U.
paynemiliは2002年に発見され、2004年に記載されている。


2009年に科博で開催された大恐竜博にて日本初公開となった復元骨格ですが、「どうしてこうなった」というセリフがピッタリな程、切ない仕上がりとなっております。当時、まだウネンラギアの近縁種が極めて細長い頭部をしているのが知られていなかったのか、ドロマエオサウルスっぽいゴツ目の頭部になってますね。あと、尻尾がラプトルの仲間にしちゃ短すぎるんじゃないかと。何ですかね、アルゼンチンの復元って、全体的に尻尾が短い気がするんですよね。。。
さてさて、まだまだドロマエオサウルス類のストックはあるんで、チョイチョイ進めていきます。
スポンサーサイト