ドロマエオサウルス類の紹介、その2はミクロラプトル亜科です。
比較的基盤的なのに、派生的な種よりも鳥に似ているという。どうなってんでしょーね?
ミクロラプトル_
Microraptor zhaoianus (
gui )
体長:80~120cm 体重:1kg 名前の意味:属名「(ギリシャ語で)小さな+(ラテン語で)泥棒」、種小名「趙氏に献名」
発見地:中華人民共和国遼寧省 発見地層: Jiufotang累層(白亜紀前期アプト期1億2000万年前)
特徴:前肢が長く、左右非対称の風切り羽根を持つ。また、後肢にも翼があった事が初めて認められた恐竜である(ミクロラプトルの発見により、始祖鳥も後肢に短いが翼があった事が分かった)。尾の先端の羽毛は菱形を形成しており、飛行中の舵取りに使用されたと考えられる。
後肢の羽根をどの様に使用していたのかには諸説あるが、大きく広げた復元は、大腿骨が寛骨臼から外れてしまう事から、現在では支持されていない。
1999年、ミクロラプトルの下半身(当時はまだ未命名)と鳥の上半身をくっつけたキメラ化石がアメリカの化石市場に売りに出され、これを購入した恐竜画家スティーブン・ツェルカス氏によりアルカエオラプトル・リャオニゲンシスと命名された。しかし翌年の1月には徐星博士により下半身が別のミクロラプトルの標本と雄型・雌型である事が判明し、アルカエオラプトルは無効名となった。
ミクロラプトルは模式種のツァオイアヌス種以外にグイ種、ハンキンギ種の3種が知られていたが、最近の研究では皆同じツァオイアヌス種であろうとされる。
ミクロラプトルの翼を電子顕微鏡で観察した研究によると、発見されたメラノソームの形状から全体的に黒い色をしており、現生のカラスの様に玉虫色の光沢があった可能性が示唆されている。また、目の強膜輪の研究からミクロラプトルは夜行性であった可能性が指摘されているが、翼に玉虫色の光沢を持つ様な夜行性動物は知られていない、という反論もある。


始めて写真を見た時、アルカエオラプトルよりコッチの方が捏造なんじゃねーか?と疑ったものでした。
こんな動物がスイスイ滑空していた光景はさぞ面白かったでしょうね。
シノルニトサウルス・ミレニイ_
Sinornithosaurus millenii体長:120cm 体重:3kg 名前の意味:属名「中国の(ラテン語で)鳥+(ギリシャ語で)トカゲ」、種小名「ミレニアム」
発見地:中華人民共和国遼寧省 発見地層: Yixian累層(白亜紀前期アプト期1億2000万年前)
特徴:ホロタイプはIVPP V12811、1999年に最初の種S.
milleniiが記載された。2004年には2番目の種、S.
haoianaが記載されているが、2012年のドロマエオサウルス類のレビューで同じ動物とされた。
2009年にはシノルニトサウルスが毒牙を持っていたとの説が出された。上顎の中程の歯が非常に長く、表面に筋が入っている事、また、それらの歯の直ぐ上の上顎骨に窪みが見られる事から、窪みに毒腺を持ち、そこから歯の溝を通して毒を流し込んだのではないか、との事である。
2010年には、歯が長いのは化石が押し潰される過程で歯が上顎骨から押し出された為であり、歯の側面の溝は他のドロマエオサウルス類で見られる事、上顎骨の窪みは化石化の過程で生じたアーティファクトである事等の反論が出された。


毒吐き恐竜といえば、ジュラシックパークのディロフォサウルスですが、アレは完全にフィクションで根拠のあるものではありませんでした。シノルニトサウルスが毒牙を持っていたかも?ってニュースは心躍りましたが、結局ありそうもないという話になっちゃいましたね。まあ、哺乳類にしろ鳥類にしろ、爬虫類でも大型の動物は毒を持っている者はほとんどいないですから、恐竜に毒を持つものがいる可能性は低い、かなぁ。
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