ティラノサウルス科_アリオラムス(2)
- 2014/12/21
- 23:35
アリオラムスの最初の標本は、モンゴル南部に位置するインゲニ=コボオル谷のノゴン・ツァブ単層(白亜紀の最後の期であるマーストリヒト期の初頭と思われ、約7000万年前の地層とされる)で1970年代初期に発見されました。見つかったのは、部分的な頭骨と3個の脚の骨で、PIN3141/1という番号が付けられています。
1976年にセルゲイ・クルザーノフ博士によってアリオラムス・レモトゥス( Alioramus remotus )という名が与えられました。この属名はギリシャ語で「別の枝」という意味です。それは、アリオラムスには他のティラノサウルス類とはっきり異なる特徴があった事から、進化の系統樹上で違う枝に相当すると考えられた為です。種小名のレモトゥスは「遠い」という意味です。

アリオラムス・レモトゥスの想像図。見つかっている部位は非常に断片的です。
アリオラムスに見られる他のティラノサウルス類との最大の違いは、細長い鼻先に6本の角がある事です。内2本は目の前にくっついていて、残りの4本は鼻骨の上に一列に並んでいます。更に左右の鼻骨が融合していない(ティラノサウルス類では鼻骨が融合して1本の棒の様になっています)のも原始的な特徴と考えられます。ただし、発見された化石は亜成体のものであったという事なので、子供の時にはまだ鼻骨は融合しなかったのかもしれません。
他の特徴としては、歯が小さく上顎骨歯が16本とティラノサウルス類として多いという点があり、これも原始的な特徴と考えられます。涙骨と後眼窩骨が接触しているという形質を持ち、これはタルボサウルスと同じである為、一部の研究者は、アリオラムスはタルボサウルスの亜成体ではないかと考えているそうです。しかし、実際に発見されているタルボサウルスの若齢個体と比較すると、頭骨の形状は全然違う事から、近い関係性を持つものの、異なる属とされます。全長は約5~6mと見積もられていますが、亜成体であった事から、成長しきればもっと大きくなったと思われます。
参考文献:「恐竜学最前線9・10」学研
1976年にセルゲイ・クルザーノフ博士によってアリオラムス・レモトゥス( Alioramus remotus )という名が与えられました。この属名はギリシャ語で「別の枝」という意味です。それは、アリオラムスには他のティラノサウルス類とはっきり異なる特徴があった事から、進化の系統樹上で違う枝に相当すると考えられた為です。種小名のレモトゥスは「遠い」という意味です。

アリオラムス・レモトゥスの想像図。見つかっている部位は非常に断片的です。
アリオラムスに見られる他のティラノサウルス類との最大の違いは、細長い鼻先に6本の角がある事です。内2本は目の前にくっついていて、残りの4本は鼻骨の上に一列に並んでいます。更に左右の鼻骨が融合していない(ティラノサウルス類では鼻骨が融合して1本の棒の様になっています)のも原始的な特徴と考えられます。ただし、発見された化石は亜成体のものであったという事なので、子供の時にはまだ鼻骨は融合しなかったのかもしれません。
他の特徴としては、歯が小さく上顎骨歯が16本とティラノサウルス類として多いという点があり、これも原始的な特徴と考えられます。涙骨と後眼窩骨が接触しているという形質を持ち、これはタルボサウルスと同じである為、一部の研究者は、アリオラムスはタルボサウルスの亜成体ではないかと考えているそうです。しかし、実際に発見されているタルボサウルスの若齢個体と比較すると、頭骨の形状は全然違う事から、近い関係性を持つものの、異なる属とされます。全長は約5~6mと見積もられていますが、亜成体であった事から、成長しきればもっと大きくなったと思われます。
参考文献:「恐竜学最前線9・10」学研
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