ステゴサウルス(2) 装飾品の使い道等、生態
- 2014/12/27
- 15:36
ステゴサウルスやその他の剣竜類の派手な装飾はどんな役割があったのでしょうか。一般的には背中を守る鎧と言われています。ロバート・バッカー博士はプレートを動かす事ができ、横方向から来る敵に対してはプレートを倒して対応したと唱えています。また、化石を調べると、その表面に沢山の血管の痕が残っている為、ゾウの耳の様に熱を放出するラジエーターとして機能したという説もあります。また、血管が沢山通る事から、血液の流れによって色が変わり敵や異性に対するアピールとして使われたという説もありました。


ステゴサウルスを狙うアロサウルス
この疑問に骨組織学からアプローチする研究者が近年増えてきています。日本でも大阪市立自然史博物館の林昭次学芸員が骨組織学的な研究を行い、ステゴサウルスのプレートの役割を解明しています。その研究によると、ステゴサウルスのプレートは中がスカスカで、鎧としてはほとんど役に立たなかったそうです。しかし血管は縦横に張り巡らされており、ある程度はラジエーターとしての機能があった可能性があります。しかし最大の発見は、プレートはある程度体が大きくなったところで急激に大きく成長する事です。これはつまり、性的に成熟するとプレートが急成長するという事であり、異性に対するディスプレイが主な役割だったと結論されます。
対して尻尾のスパイクはどうだったのでしょうか。スパイクは子供の頃は扁平で中がスポンジ状でありあまり強度がなく、武器としては使えなかった様ですが、大人になるにつれて骨密度が増していき、最終的にはしっかり武器として使えるレベルになるそうです。実際、同時代の捕食者であるアロサウルスの化石にはステゴサウルスのスパイクで刺されたと思しき化石が複数存在しています。尻尾のスパイクは武器として使用されていたと考えられます。尻尾のスパイクについては、古い復元では尻尾の上に向かって突き出していますが、実際にはスパイクの付け根が2本分付着するスペースが無い事から、尻尾に対して横向きに突き出していました。この付き方だと、横方向に尻尾をスイングする事でスパイクを武器として最大限に利用出来たのではないかと考えられています。また、剣竜は複数個体が固まって発見される事がありますが、これはスパイクがまだ未熟な幼体を成体が守る為ではないかと推論出来る様です。

ステゴサウルスのスパイクによる傷と思われる穴の開いたアロサウルスの尾椎。
写真では刺さった状態になっていますが、この状態で化石化した訳ではありません。
ステゴサウルスには、その他にも面白い特徴があります。その1つが、脳ミソが凄く小さい事で、全長7~9mにもなるのに、クルミ程しかなかったと言います。この為、腰のあたりに神経の塊の様なものがあって、第2の脳として使用されていたとかつては主張されていました。最近の研究ではここにはグリコーゲン体という神経に栄養を供給する組織があったとされており、第2の脳説は否定されています。
参考文献:「恐竜博2011」図録


ステゴサウルスを狙うアロサウルス
この疑問に骨組織学からアプローチする研究者が近年増えてきています。日本でも大阪市立自然史博物館の林昭次学芸員が骨組織学的な研究を行い、ステゴサウルスのプレートの役割を解明しています。その研究によると、ステゴサウルスのプレートは中がスカスカで、鎧としてはほとんど役に立たなかったそうです。しかし血管は縦横に張り巡らされており、ある程度はラジエーターとしての機能があった可能性があります。しかし最大の発見は、プレートはある程度体が大きくなったところで急激に大きく成長する事です。これはつまり、性的に成熟するとプレートが急成長するという事であり、異性に対するディスプレイが主な役割だったと結論されます。
対して尻尾のスパイクはどうだったのでしょうか。スパイクは子供の頃は扁平で中がスポンジ状でありあまり強度がなく、武器としては使えなかった様ですが、大人になるにつれて骨密度が増していき、最終的にはしっかり武器として使えるレベルになるそうです。実際、同時代の捕食者であるアロサウルスの化石にはステゴサウルスのスパイクで刺されたと思しき化石が複数存在しています。尻尾のスパイクは武器として使用されていたと考えられます。尻尾のスパイクについては、古い復元では尻尾の上に向かって突き出していますが、実際にはスパイクの付け根が2本分付着するスペースが無い事から、尻尾に対して横向きに突き出していました。この付き方だと、横方向に尻尾をスイングする事でスパイクを武器として最大限に利用出来たのではないかと考えられています。また、剣竜は複数個体が固まって発見される事がありますが、これはスパイクがまだ未熟な幼体を成体が守る為ではないかと推論出来る様です。

ステゴサウルスのスパイクによる傷と思われる穴の開いたアロサウルスの尾椎。
写真では刺さった状態になっていますが、この状態で化石化した訳ではありません。
ステゴサウルスには、その他にも面白い特徴があります。その1つが、脳ミソが凄く小さい事で、全長7~9mにもなるのに、クルミ程しかなかったと言います。この為、腰のあたりに神経の塊の様なものがあって、第2の脳として使用されていたとかつては主張されていました。最近の研究ではここにはグリコーゲン体という神経に栄養を供給する組織があったとされており、第2の脳説は否定されています。
参考文献:「恐竜博2011」図録
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