毎年、1月2日はどこかの博物館に恐竜参りに行っているのですが、今年は名古屋港水族館に行ってきました。
理由としては、この水族館には結構な数の古生物の展示があると聞いた為です。
現生のクジラ類の骨格も多数ありました。見た限りでは、下のシャチの全身骨格を含め、11体分展示されていました。
↓シャチ_
Orcinus orca
シャチの全身骨格は4個体分も展示されており、名古屋港水族館がシャチを押しているのがわかります。
考えてみれば、名古屋といえばシャチホコなので、当然と言えば当然ですね。
ちょっと調べてみたところ、シャチの学名オルキヌス・オルカは、属名がラテン語で「冥府の、死の領域の」という意味で、種小名が「魔物」という意味だそうです。全体として「冥界からきた魔物」といった様な意味で、厨二心をくすぐるカッコ良さです。
高度な知能と統率の取れた狩り、優れた遊泳能力と、海の食物連鎖の頂点に君臨する現世最強のプレデターに相応しい名前ですね。
現生のクジラ類としてシャチやマッコウクジラ、シロイルカ等の骨格が展示されていますが、化石で知られるクジラ類の先祖たちも負けていません。
↓ジゴリザ・コキ_
Zygorhiza kochii
ジゴリザはバシロサウルスに代表されるムカシクジラ類で、ドルドンに近縁だそうです。頭骨はちょくちょく展示されているのを見た事がありましたが、全身骨格は初めて見ました。細く長い口吻が哺乳類ぽくなくて、怪物みたいでぞくぞくします。
元々はバシロサウルスの1種とされていたらしいですが、シュトローマー博士やハリー・シーリー博士といった古生物学上の超有名人が研究したことがあるんだそうです。
↓パキケトゥス・アットキ_
Pakicetus attocki
現在知られているクジラの系統としては最古級の種。名前は「パキスタンのクジラ」を意味しているそうです。
↓アンブロケトゥス・ナッタンス_
Ambulocetus nattans
まだしっかり四肢が残っている為か、名前の意味は「泳ぐ歩行クジラ」だそうです。すでに外耳を失っていた様で、分類的に真のクジラの始まりと形容されるとか。しかし、この長い頭部と凶悪な歯、とても哺乳類に見えません。生きていた時、どんな姿だったんでしょう?
↓アエティオケトゥス・ポリデンタトゥス_
Aetiocetus polydentatus
北海道足寄町で発見されたヒゲクジラの仲間ですが、クジラヒゲを持っておらず、歯が生えていたといいます。どういうことやねん。名前の意味は「因果のクジラ」とか、そんな意味だそうです。
その他にも、化石種、現生種のクジラ、イルカの頭骨がずらりと並んでいます。

クジラについて、そんなに詳しく知っているワケではありませんが、何故か惹かれるものがあります。
一皮剥くと、普段見ている姿からは想像もできない様な頭部をしているからかもしれません。
現代においても、あまり生き物に詳しくない方々が漂着したクジラ類の死骸を未確認生物だと騒ぐ事が度々ありますから、古代の人々はよりクジラ類の骨を見て海の化け物を想像したかもしれないですね。
しかし、クジラの進化について、ここまで詳しく解説しているとは驚きました。化石展示室の壁一面に解説文が書いてありましたし、クジラ類への情熱が伝わってきます。
驚く事に、展示されている古生物はクジラ類だけではありませんでした。
↓アーケロン・イスキロス_
Archelon ischyros
現在までに知られているカメ類で最大種のアーケロンが展示されています。ここの展示では前後左右上下と、ほぼ全ての角度から見る事ができました。また、かなり近くまで寄る事ができるので、口の中の構造なんかもマジマジ見る事もできます。
ウミガメの展示に合わせて置かれている様ですが、説明がなく唐突に出て来るので、ちょっとビビる。
※ウミガメの展示は工事中で見れませんでした。
最後はペンギンの展示の補強資料として、絶滅種が1つ。
↓パレアオスフェニスクス_
Paleaospheniscus sp.

ペルーで発見された500万年程前に生息していたペンギンだそうです。
ペンギンって足が短い様に見えますが、実際には長い足を折りたたんでいるんですよね。こんなカッコでずーっといたら、腰痛めそうで泣きそう。
ざっと紹介してみましたが、他にも沢山の骨格が展示されていて、魚好きな方だけでなく、古生物好き・骨好きな方々も非常に楽しめる内容でした。今回は生でシャチも見れて、本当に楽しい一日となりましたが、肝心の魚をじっくりと見る事ができなかったので、いつかまた行ってみたいと思います。
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