剣竜類について
- 2014/12/29
- 01:18
ステゴサウルスの仲間を紹介する上で、剣竜類がどんな動物であったのかサラっと解説してみたいと思います。
▼剣竜類とは
剣竜類(ステゴサウリア)は1887年にオスニエル・チャールズ・マーシュ博士によりステゴサウルスを含む科として設立された分類単位で、共通して持っている特徴としては、「体の軸に対して平行な位置に列状の皮骨板または棘を持つ」、「他の恐竜が持っている脊椎を固める為の骨化した腱を持っていない」、「胸腰椎(背骨)の神経弓(突起)の高さは、椎体の少なくとも1.5倍ある」等があるそうです。
1915年にはハンガリーのフランツ・フォン・ノプシャ博士(この人は貴族だったりゲイだったり拳銃自殺したりとロックな人生を送った人です)により、鎧竜と角竜と共に装盾類(Thyreophora ティレオフォーラ)という分類単位に入れられたのですが、しばらく忘れ去られていました。その後、1986年にシカゴ大学のポール・セレノ博士がスケリドサウルスの様な鎧を持つ植物食恐竜、鎧竜、剣竜をまとめる分類群として復活させ、現在では「装盾類のうち、アンキロサウルスよりステゴサウルス寄りに最新の共通祖先を持つグループ」と定義されています。
発見されている剣竜類はすべて四足歩行で、植物食。口先の狭い頭部は低い位置にあり、基本的には下生えのシダ類等を食べていたと考えられますが、尻尾を支えに後足で立ち上がってそこそこ高い位置の新芽等も食べた可能性があります。体の構造的にあまり早く移動する事はできなかったと思われる為、肉食恐竜に襲われた場合は尻尾を振り回して応戦したと考えられます。
▼時間的分布と空間的分布
剣竜類はジュラ紀中期のフアヤンゴサウルスから白亜紀前期のウエルホサウルスまで確認されていますが、フランスやオーストラリアではジュラ紀前期の足跡化石が発見されているそうです。恐らく三畳紀後期からジュラ紀初期にスケリドサウルスの様な基盤装盾類から進化してきたと考えられていますが、ジュラ紀の後期には急速に衰えてきた様です。剣竜類が非常に貧弱な歯を持っていた事からジュラ紀/白亜紀の植生の変化、被子植物の台頭に対応できなかったのかもしれません。被子植物はシダ類等よりも葉っぱが固く、消化し難かった可能性があります。
これまでアジア(フアヤンゴサウルス、トゥオジアンゴサウルス、ギガントスピノサウルス、チアリンゴサウルス等)、ヨーロッパ(ダケントルルス、ミラガイア、レクソヴィサウルス等)、アフリカ(ケントロサウルス、パラントドン等)、アメリカ(ステゴサウルス、ヘスペロサウルス等)で骨格化石が発見されており、オーストラリアでも足跡化石が見られる事から南極大陸以外では化石が発見されています。ただ、この時代はインドがユーラシア大陸と接しておらずインド亜大陸となっており、剣竜の化石は報告されていない様です。インドの古生物学者P.ヤダギリ博士により1979年にジュラ紀の剣竜が発見されているとの報告があるらしいです。また、白亜紀後期からドラヴィドサウルスという剣竜と思しき化石が記載された事がありますが、これは鎧竜とプレシオサウルス類のヒレが混ざってしまったものだったそうです。更に、ドラヴィドサウルスの論文では白亜紀末のマーストリヒト期から剣竜が発見されているとの記述がある様です。しかしながら、これらの発見については正式な記載も図版もなく、色々と資料を漁ってみましたが、載っておらず、恐らく同定の誤りと考えられている様です。よって、現在最後まで生き残った剣竜は新疆ウイグル自治区のジュンガル盆地から発見されたウエルホサウルスとなっています。
参考文献:「恐竜学最前線4」学研、「最新恐竜辞典-分類・生態・謎・情報収集-」金子隆一編 朝日新聞社、「恐竜の世界」金子隆一著 新星出版社
▼剣竜類とは
剣竜類(ステゴサウリア)は1887年にオスニエル・チャールズ・マーシュ博士によりステゴサウルスを含む科として設立された分類単位で、共通して持っている特徴としては、「体の軸に対して平行な位置に列状の皮骨板または棘を持つ」、「他の恐竜が持っている脊椎を固める為の骨化した腱を持っていない」、「胸腰椎(背骨)の神経弓(突起)の高さは、椎体の少なくとも1.5倍ある」等があるそうです。
※こうした共通して持っている特徴の事を、【共有派生形質】と言います。現在、古生物の分類や系統解析に用いられる分岐分析という手法では、動物が持つ共通の特徴を抽出し、これを沢山共有する動物程近い関係にあるとしています。
1915年にはハンガリーのフランツ・フォン・ノプシャ博士(この人は貴族だったりゲイだったり拳銃自殺したりとロックな人生を送った人です)により、鎧竜と角竜と共に装盾類(Thyreophora ティレオフォーラ)という分類単位に入れられたのですが、しばらく忘れ去られていました。その後、1986年にシカゴ大学のポール・セレノ博士がスケリドサウルスの様な鎧を持つ植物食恐竜、鎧竜、剣竜をまとめる分類群として復活させ、現在では「装盾類のうち、アンキロサウルスよりステゴサウルス寄りに最新の共通祖先を持つグループ」と定義されています。
発見されている剣竜類はすべて四足歩行で、植物食。口先の狭い頭部は低い位置にあり、基本的には下生えのシダ類等を食べていたと考えられますが、尻尾を支えに後足で立ち上がってそこそこ高い位置の新芽等も食べた可能性があります。体の構造的にあまり早く移動する事はできなかったと思われる為、肉食恐竜に襲われた場合は尻尾を振り回して応戦したと考えられます。
▼時間的分布と空間的分布
剣竜類はジュラ紀中期のフアヤンゴサウルスから白亜紀前期のウエルホサウルスまで確認されていますが、フランスやオーストラリアではジュラ紀前期の足跡化石が発見されているそうです。恐らく三畳紀後期からジュラ紀初期にスケリドサウルスの様な基盤装盾類から進化してきたと考えられていますが、ジュラ紀の後期には急速に衰えてきた様です。剣竜類が非常に貧弱な歯を持っていた事からジュラ紀/白亜紀の植生の変化、被子植物の台頭に対応できなかったのかもしれません。被子植物はシダ類等よりも葉っぱが固く、消化し難かった可能性があります。
これまでアジア(フアヤンゴサウルス、トゥオジアンゴサウルス、ギガントスピノサウルス、チアリンゴサウルス等)、ヨーロッパ(ダケントルルス、ミラガイア、レクソヴィサウルス等)、アフリカ(ケントロサウルス、パラントドン等)、アメリカ(ステゴサウルス、ヘスペロサウルス等)で骨格化石が発見されており、オーストラリアでも足跡化石が見られる事から南極大陸以外では化石が発見されています。ただ、この時代はインドがユーラシア大陸と接しておらずインド亜大陸となっており、
参考文献:「恐竜学最前線4」学研、「最新恐竜辞典-分類・生態・謎・情報収集-」金子隆一編 朝日新聞社、「恐竜の世界」金子隆一著 新星出版社
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