2019年に記載された恐竜レビュー(2)
- 2020/01/03
- 00:33
2019年に命名された恐竜のレビュー、後編です。
Gobiraptor minutus
名前(意味):ゴビラプトル・ミヌトゥス(小さなゴビ砂漠の泥棒)
生息地:モンゴル国オムノゴビ州
生息時期:後期白亜紀マーストリヒト期 (ネメグト累層)
体長:約1m程度、体重:?

オヴィラプトル科の新種。ホロタイプ MPC-D 102/111は頭蓋骨、部分的な肩甲骨、骨盤、大腿骨、左の中足骨から指骨、不完全な尾椎等から成る。
下顎の関節が非常に厚くなり強靭である点が独特であり、食性に関連しているのではないかと示唆されている。また、本種のホロタイプは明らかに子供の個体であるが、他種と区別される特徴は成長に伴って変化する部位ではないと推測されるという。
Kamuysaurus japonicas
名前(意味):カムイサウルス・ジャポニクス(日本の神のトカゲ)
生息地:日本・北海道
生息時期:後期白亜紀マーストリヒト期 (函淵層)
体長:約8m程度、体重:4~5t

全身の80%程の骨が発見されており、日本で発見された恐竜の内、最も完全度が高い。ハドロサウルス科のうち、トサカが無い、あるいは小さいサウロロフス亜科に含まれるが、発見されている頭骨からはブラキロフォサウルスの様なトサカを持っていた可能性が示唆される。カムイサウルス(むかわ竜)の分かりやすい特徴としては、6番目から12番目の脊椎の神経棘が前傾している事が挙げられる。
Siamraptor suwati
名前(意味):シャムラプトル・スワティ(Suwat Liptapanlop氏のシャムの泥棒)
生息地:タイ王国・コラート県
生息時期:前期白亜紀アプト期 (コク・クルアト層)
体長:約8m程度、体重:?

タイで発見されたカルカロドントサウルス科の獣脚類。ホロタイプNRRU-F01020008は前上顎骨、上角骨、脳函、歯等から成る。その他にも少なくとも3個体分から成る追加標本が知られ、頸椎、脊椎、尾椎、骨盤の一部、後脚の一部等が知られている。上角骨から関節骨にかけて55cmあり、頭骨は1mを超えるサイズであったと推測される。また、上角骨には4つの孔が認められるが、他の獣脚類では1つ、多くても2つであり、本種の固有の形質であるという。
Suskityrannus hazelae
名前(意味):ススキティラヌス・ハゼラエ((ズニ族の言葉で)コヨーテの暴君)
生息地:アメリカ合衆国・ニューメキシコ州
生息時期:後期白亜紀チューロン期 (モレノ・ヒル層)
体長:約3m程度、体重:20~40kg

ティラノサウルス上科に含まれる獣脚類。ホロタイプMSM P4754とパラタイプMSM P6178が採取されており、部分的に関節した頭部、部分的に関節した胴体部の骨が知られる。命名の元となった個体は3歳と推定されており、より古い時代のティラノサウルス類であるモロスが約6mと推測されることから、ススキティラヌスももっと大きく成長したものと推測される。
ズニ盆地からズニケラトプスと同じ地層から発見されており、ティラノサウルス類が常に角竜と競い合うように進化してきた事を伺わせる。前脚にはまだ3本の機能指があり、ティラノサウルス類としては原始的である事が見て取れる。
正式に命名される前は、ズニティランノサウラ等の名称で呼ばれていた。
Vespersaurus paranaensis
名前(意味):ヴェスペルサウルス・パラナエンシス(パラナの西のトカゲ)
生息地:ブラジル連邦共和国・パラナ州
生息時期:前期白亜紀?後期白亜紀?(リオ・パラナ層)
体長:約1~1.5m程度、体重:11kg

ケラトサウルス類に分類されるノアサウルス科の恐竜で、ホロタイプMPCO.V0065dと追加標本より、頭骨の一部、脊椎、部分的な左腸骨、恥骨、坐骨、歯、肩甲骨、前脚、後脚、尾椎等、おおよそ全身が知られるが、収集された骨は全体の40%程という。
ヴェスペルサウルスの特徴は、脚の構造から1本の指(第Ⅲ指)で歩行していた可能性がある点である。同地では1本指の奇妙な足跡が発見されていると言い、これがヴェスペルサウルスによって付けられた物である可能性が考えられるという。
前後編合わせて10種をレビューしてみましたが、やはり昨年最大の話題は日本産のカムイサウルスでしたね。
何と言っても、全身の80%が見つかっているので、イラストを描こうとする際の資料が豊富ですからね。
さあ、2020年はどんな恐竜が見つかるでしょう?楽しみですね!
Gobiraptor minutus
名前(意味):ゴビラプトル・ミヌトゥス(小さなゴビ砂漠の泥棒)
生息地:モンゴル国オムノゴビ州
生息時期:後期白亜紀マーストリヒト期 (ネメグト累層)
体長:約1m程度、体重:?

オヴィラプトル科の新種。ホロタイプ MPC-D 102/111は頭蓋骨、部分的な肩甲骨、骨盤、大腿骨、左の中足骨から指骨、不完全な尾椎等から成る。
下顎の関節が非常に厚くなり強靭である点が独特であり、食性に関連しているのではないかと示唆されている。また、本種のホロタイプは明らかに子供の個体であるが、他種と区別される特徴は成長に伴って変化する部位ではないと推測されるという。
Kamuysaurus japonicas
名前(意味):カムイサウルス・ジャポニクス(日本の神のトカゲ)
生息地:日本・北海道
生息時期:後期白亜紀マーストリヒト期 (函淵層)
体長:約8m程度、体重:4~5t

全身の80%程の骨が発見されており、日本で発見された恐竜の内、最も完全度が高い。ハドロサウルス科のうち、トサカが無い、あるいは小さいサウロロフス亜科に含まれるが、発見されている頭骨からはブラキロフォサウルスの様なトサカを持っていた可能性が示唆される。カムイサウルス(むかわ竜)の分かりやすい特徴としては、6番目から12番目の脊椎の神経棘が前傾している事が挙げられる。
Siamraptor suwati
名前(意味):シャムラプトル・スワティ(Suwat Liptapanlop氏のシャムの泥棒)
生息地:タイ王国・コラート県
生息時期:前期白亜紀アプト期 (コク・クルアト層)
体長:約8m程度、体重:?

タイで発見されたカルカロドントサウルス科の獣脚類。ホロタイプNRRU-F01020008は前上顎骨、上角骨、脳函、歯等から成る。その他にも少なくとも3個体分から成る追加標本が知られ、頸椎、脊椎、尾椎、骨盤の一部、後脚の一部等が知られている。上角骨から関節骨にかけて55cmあり、頭骨は1mを超えるサイズであったと推測される。また、上角骨には4つの孔が認められるが、他の獣脚類では1つ、多くても2つであり、本種の固有の形質であるという。
Suskityrannus hazelae
名前(意味):ススキティラヌス・ハゼラエ((ズニ族の言葉で)コヨーテの暴君)
生息地:アメリカ合衆国・ニューメキシコ州
生息時期:後期白亜紀チューロン期 (モレノ・ヒル層)
体長:約3m程度、体重:20~40kg

ティラノサウルス上科に含まれる獣脚類。ホロタイプMSM P4754とパラタイプMSM P6178が採取されており、部分的に関節した頭部、部分的に関節した胴体部の骨が知られる。命名の元となった個体は3歳と推定されており、より古い時代のティラノサウルス類であるモロスが約6mと推測されることから、ススキティラヌスももっと大きく成長したものと推測される。
ズニ盆地からズニケラトプスと同じ地層から発見されており、ティラノサウルス類が常に角竜と競い合うように進化してきた事を伺わせる。前脚にはまだ3本の機能指があり、ティラノサウルス類としては原始的である事が見て取れる。
正式に命名される前は、ズニティランノサウラ等の名称で呼ばれていた。
Vespersaurus paranaensis
名前(意味):ヴェスペルサウルス・パラナエンシス(パラナの西のトカゲ)
生息地:ブラジル連邦共和国・パラナ州
生息時期:前期白亜紀?後期白亜紀?(リオ・パラナ層)
体長:約1~1.5m程度、体重:11kg

ケラトサウルス類に分類されるノアサウルス科の恐竜で、ホロタイプMPCO.V0065dと追加標本より、頭骨の一部、脊椎、部分的な左腸骨、恥骨、坐骨、歯、肩甲骨、前脚、後脚、尾椎等、おおよそ全身が知られるが、収集された骨は全体の40%程という。
ヴェスペルサウルスの特徴は、脚の構造から1本の指(第Ⅲ指)で歩行していた可能性がある点である。同地では1本指の奇妙な足跡が発見されていると言い、これがヴェスペルサウルスによって付けられた物である可能性が考えられるという。
前後編合わせて10種をレビューしてみましたが、やはり昨年最大の話題は日本産のカムイサウルスでしたね。
何と言っても、全身の80%が見つかっているので、イラストを描こうとする際の資料が豊富ですからね。
さあ、2020年はどんな恐竜が見つかるでしょう?楽しみですね!
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