エドモントサウルス(4)
- 2015/01/16
- 01:31
エドモントサウルスの説明にちょいちょい出て来た他の恐竜達について、ちょこっと紹介。
▼トラコドン
1855年、地質学者フェルディナンド・ヘイデン博士がネブラスカ準州のジュディスリバー累層で集めた歯の化石を、フィラデルフィア自然科学アカデミーのジョセフ・ライディ博士に送ったところ、1856年にライディ博士はこれらの歯の内2本に基づいてトラコドン・ミラビリスTrachodon mirabilis (属名は「粗い歯」、種小名は「奇妙な」、または「素晴らしい」という意味)を命名。さすがに歯2本から有効な属とするのは無理があるので、現在では無効名となっています。30代以上の恐竜オタクには懐かしい平ったい頭と広い嘴のズデニェック・ブリアン画伯の復元画が有名ですが、歯の特徴はランベオサウルス類である事を示しており、恐らく、コリトサウルスではないかと言われています。
▼テスペシウス
ライディ博士はヘイデン博士からサウスダコタ州ランス累層から発見された2個の尾椎と足指の骨も受け取っており、これに基づいて1856年にテスペシウス・オクシデンタリスThespesius occidentalis (属名は「非常に強力で大きい」、種小名は「西の」という意味)を命名しました。現在ではハドロサウルス類の典型的な特徴を備えているものの、断片的過ぎて属の特徴を示す事は出来ない為、無効名となっています。
▼ハドロサウルス
アメリカにおける恐竜化石は、そのほとんどが西部で発見されています。東側は中生代にはアパラチア大陸となっていましたが、良質な化石の産出が少なく、当時の動物相は謎に包まれています。
1858年、ニュージャージー州カムデン郡ハットンフィールドにある農場で大きな化石が発見された事を知ったフィラデルフィア自然科学アカデミーの会員ウィリアム・パーカー・フォーク氏(奴隷解放等の運動に参加した慈善家、弁護士)により更に化石が掘り出され、ジョセフ・ライディ博士により1858年にハドロサウルス・フォウルキィ(Hadrosaurus foulkii 属名は「太ったトカゲ」、種小名はフォーク氏に献名)と名付けられました。
化石は歯、下顎の一部、脊椎28個、腕の骨、骨盤、大腿骨等、まあまあ揃っているが、他の恐竜とはっきり区別できる箇所が欠けている様な状況で、割と最近まで怪しい属名とされてきましたが、2010年の再解析では独自の特徴を持った有効な名前であるとされました。
また、伝統的にハドロサウルス科の中にはハドロサウルス亜科とランベオサウルス亜科があるとされてきましたが、ハドロサウルスはそれらの仲間に比べるとより原始的であり、亜科を代表する名前として相応しくないとされ、旧来のハドロサウルス亜科に相当する名前として、最近ではサウロロフス亜科が使用される様になってきているそうです。
▼クラオサウルス
1871年にカンザス州のナイオブラーラ層(白亜紀カンパニアン期下部、海成層で、海トカゲやプテラノドンが見つかる)で発見されたほっそりとした小型のハドロサウルス類をO.C.マーシュ博士が1872年にハドロサウルス・アギリスと命名。しかし、その後、この恐竜がハドロサウルス属ではないと考え直したマーシュ博士は1890年にクラオサウルスClaosaurus agilis(壊れたトカゲの意味。発掘中に化石が破損した事に由来するのではないかと考えられる)と改名しました。
参考文献:「恐竜学最前線11、12」学研
▼トラコドン
1855年、地質学者フェルディナンド・ヘイデン博士がネブラスカ準州のジュディスリバー累層で集めた歯の化石を、フィラデルフィア自然科学アカデミーのジョセフ・ライディ博士に送ったところ、1856年にライディ博士はこれらの歯の内2本に基づいてトラコドン・ミラビリスTrachodon mirabilis (属名は「粗い歯」、種小名は「奇妙な」、または「素晴らしい」という意味)を命名。さすがに歯2本から有効な属とするのは無理があるので、現在では無効名となっています。30代以上の恐竜オタクには懐かしい平ったい頭と広い嘴のズデニェック・ブリアン画伯の復元画が有名ですが、歯の特徴はランベオサウルス類である事を示しており、恐らく、コリトサウルスではないかと言われています。
▼テスペシウス
ライディ博士はヘイデン博士からサウスダコタ州ランス累層から発見された2個の尾椎と足指の骨も受け取っており、これに基づいて1856年にテスペシウス・オクシデンタリスThespesius occidentalis (属名は「非常に強力で大きい」、種小名は「西の」という意味)を命名しました。現在ではハドロサウルス類の典型的な特徴を備えているものの、断片的過ぎて属の特徴を示す事は出来ない為、無効名となっています。
▼ハドロサウルス
アメリカにおける恐竜化石は、そのほとんどが西部で発見されています。東側は中生代にはアパラチア大陸となっていましたが、良質な化石の産出が少なく、当時の動物相は謎に包まれています。
1858年、ニュージャージー州カムデン郡ハットンフィールドにある農場で大きな化石が発見された事を知ったフィラデルフィア自然科学アカデミーの会員ウィリアム・パーカー・フォーク氏(奴隷解放等の運動に参加した慈善家、弁護士)により更に化石が掘り出され、ジョセフ・ライディ博士により1858年にハドロサウルス・フォウルキィ(Hadrosaurus foulkii 属名は「太ったトカゲ」、種小名はフォーク氏に献名)と名付けられました。
化石は歯、下顎の一部、脊椎28個、腕の骨、骨盤、大腿骨等、まあまあ揃っているが、他の恐竜とはっきり区別できる箇所が欠けている様な状況で、割と最近まで怪しい属名とされてきましたが、2010年の再解析では独自の特徴を持った有効な名前であるとされました。
また、伝統的にハドロサウルス科の中にはハドロサウルス亜科とランベオサウルス亜科があるとされてきましたが、ハドロサウルスはそれらの仲間に比べるとより原始的であり、亜科を代表する名前として相応しくないとされ、旧来のハドロサウルス亜科に相当する名前として、最近ではサウロロフス亜科が使用される様になってきているそうです。
▼クラオサウルス
1871年にカンザス州のナイオブラーラ層(白亜紀カンパニアン期下部、海成層で、海トカゲやプテラノドンが見つかる)で発見されたほっそりとした小型のハドロサウルス類をO.C.マーシュ博士が1872年にハドロサウルス・アギリスと命名。しかし、その後、この恐竜がハドロサウルス属ではないと考え直したマーシュ博士は1890年にクラオサウルスClaosaurus agilis(壊れたトカゲの意味。発掘中に化石が破損した事に由来するのではないかと考えられる)と改名しました。
参考文献:「恐竜学最前線11、12」学研
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