ティラノサウルス科_ティラノサウルス(3) 成長と寿命
- 2014/10/17
- 22:25
ティラノサウルスは現在知られている肉食恐竜の中では最大のものの1つです。全長13m近くまで大きくなるのに、どの位かかったのでしょうか。

ティラノサウルスの幼体とされる頭骨。大人と比べると非常に細長い。
前回の記事で紹介した「スー」が収められているフィールド博物館のピーター・マコビッキー博士の研究でティラノサウルスの成長速度がわかりました。恐竜や魚、両生類(カエルやサンショウウオなど)、爬虫類(ヘビ、トカゲ、ワニ、カメ)では、順調に成長する時期、成長が鈍くなる時期、成長が止まる時期を繰り返して大きくなっていくそうです。この時、骨も同じように成長するのですが、順調な成長期には穴が沢山開いた厚い骨の層ができ、鈍い成長期には密度が高くて薄い骨の層ができるそうです。成長が止まると骨もほとんど成長しなくなるので、とても薄い層が形成されます。この様な骨の変化は化石を切断して表面を顕微鏡で観察することで見る事ができ、その様子はまるで木の年輪の様です。
成長が順調に進む時期や鈍くなる時期があるのは、季節の変化に関係しているそうで(例えば、食欲の秋と言うように食べ物が豊富にある季節に一気に成長が進み、冬には止まるといった感じ)、骨に現れる層の数を数える事で動物の年齢が分かるのだそうです。
マコビッキー博士はティラノサウルスの親戚みたいな近い恐竜達(ダスプレトサウルス、アルバートサウルス、ゴルゴサウルス)のデータを集め、ティラノサウルスと比較してみました。すると、ティラノサウルスは近縁の恐竜よりも3倍以上の速さで大きくなっていた事がわかりました。人と同じく、10~20歳の間に急速に大きくなっていて、最大で1日2kg体重が増えたと考えられます。

ティラノサウルスの亜成体とされる頭骨(奥側)。体長は7、8m位と思われる。手前はナノティランヌス。
ちなみに、大人のティラノサウルスは体重6tとも言われていますが、こんなに重くなってしまうと、素早く動く事ができないので、ほとんど狩りができなかったのではないかと言われています。この為、ティラノサウルスが全力疾走できたのは体重が500kg~1tの間であった10~12、3歳位までで、この期間の子供のティラノサウルスが実は最強の捕食者だと言う人もいます(でも誰が言ったのか覚えてないorz)。
スーについても年齢が調べられました。その結果、スーは28歳で死亡した事が判明しています。マコビッキー博士はスーの全身に残るケガや病気の痕(当然、骨には残らない病気も患っていたでしょう)から、スーはティラノサウルスの中でも高齢な個体であると結論しており(実際、マコビッキー博士が研究に用いたティラノサウルスは7体でしたが、スーが最高齢だったそうです)、ティラノサウルスの寿命は恐らく30歳と見積もっています。
参考文献:「恐竜博2005」図録、「恐竜博2011」図録、「恐竜の成長」図録

ティラノサウルスの幼体とされる頭骨。大人と比べると非常に細長い。
前回の記事で紹介した「スー」が収められているフィールド博物館のピーター・マコビッキー博士の研究でティラノサウルスの成長速度がわかりました。恐竜や魚、両生類(カエルやサンショウウオなど)、爬虫類(ヘビ、トカゲ、ワニ、カメ)では、順調に成長する時期、成長が鈍くなる時期、成長が止まる時期を繰り返して大きくなっていくそうです。この時、骨も同じように成長するのですが、順調な成長期には穴が沢山開いた厚い骨の層ができ、鈍い成長期には密度が高くて薄い骨の層ができるそうです。成長が止まると骨もほとんど成長しなくなるので、とても薄い層が形成されます。この様な骨の変化は化石を切断して表面を顕微鏡で観察することで見る事ができ、その様子はまるで木の年輪の様です。
成長が順調に進む時期や鈍くなる時期があるのは、季節の変化に関係しているそうで(例えば、食欲の秋と言うように食べ物が豊富にある季節に一気に成長が進み、冬には止まるといった感じ)、骨に現れる層の数を数える事で動物の年齢が分かるのだそうです。
マコビッキー博士はティラノサウルスの親戚みたいな近い恐竜達(ダスプレトサウルス、アルバートサウルス、ゴルゴサウルス)のデータを集め、ティラノサウルスと比較してみました。すると、ティラノサウルスは近縁の恐竜よりも3倍以上の速さで大きくなっていた事がわかりました。人と同じく、10~20歳の間に急速に大きくなっていて、最大で1日2kg体重が増えたと考えられます。

ティラノサウルスの亜成体とされる頭骨(奥側)。体長は7、8m位と思われる。手前はナノティランヌス。
ちなみに、大人のティラノサウルスは体重6tとも言われていますが、こんなに重くなってしまうと、素早く動く事ができないので、ほとんど狩りができなかったのではないかと言われています。この為、ティラノサウルスが全力疾走できたのは体重が500kg~1tの間であった10~12、3歳位までで、この期間の子供のティラノサウルスが実は最強の捕食者だと言う人もいます(でも誰が言ったのか覚えてないorz)。
スーについても年齢が調べられました。その結果、スーは28歳で死亡した事が判明しています。マコビッキー博士はスーの全身に残るケガや病気の痕(当然、骨には残らない病気も患っていたでしょう)から、スーはティラノサウルスの中でも高齢な個体であると結論しており(実際、マコビッキー博士が研究に用いたティラノサウルスは7体でしたが、スーが最高齢だったそうです)、ティラノサウルスの寿命は恐らく30歳と見積もっています。
参考文献:「恐竜博2005」図録、「恐竜博2011」図録、「恐竜の成長」図録
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