幻獣の名を冠する恐竜シリーズ6 エルリコサウルス(2)
- 2015/03/18
- 00:54
エルリコサウルス・アンドレウシ( Erlikosaurus andrewsi )は、1972年にソ連・モンゴルの共同調査隊によって、モンゴルはウヌムゴビ県のバイシン・ツァフで発見されたテリジノサウルスの仲間です。1980年にアルタンゲレル・ペルレ博士によって記載されました。
エルリコサウルスが発見された地層はバインシレ層といい、およそ9300~8000万年前、チューロン期からカンパン期にかけて堆積した地層らしいです。エルリコサウルスが発見されたのは約9000万年前、セノマン期からサントン期とされています。同じ地層からはテリジノサウルスの仲間であるセグノサウルス、エニグモサウルス、原始的なダチョウ恐竜ガルディミムス等が発見されています。
ホロタイプIGM 100/111は完全な頭骨、幾つかの首の骨、左の上腕骨、左の足からなり、首から尻尾にかけての骨が全然ない為、体長の見積もりが4.5~6mと幅があります。G.ポール博士は体長4.5mと見積もっており、大きな爪で捕食者に立ち向かったのではないかと推測しています。

分類的には、フィル・センター博士やリンジー・ザノ博士の系統解析によると、大体テリジノサウルスのすぐ横にきており、テリジノサウルス類の中ではかなり派生的な種である様です。イラストでは、かなり首を長く書きましたが、ノトロニクスなんかもかなり首が長いので、ありえなくはないかな、と思います。
エルリコサウルスは初めて頭骨が発見されたテリジノサウルスの仲間で、現在でも最も完全な頭部だそうです。2012年にブリストル大学のスティーヴン・ローテンシュテイガー博士、エイミー・レイフィールド博士らによってCTスキャンを用いた研究がなされたのですが、嗅覚、聴覚が良く、バランス感覚にも優れていた事が分かったそうです。また前脳が発達しており、複雑な社会行動が取れた可能性があるとしています。
因みに、ここまでテリジノサウルスの仲間という表現を用いてきましたが、エルリコサウルスが発見された当初、テリジノサウルスという恐竜がどういう恐竜なのかは全く不明でした。なので、エルリコサウルスが記載された際、1979年にペルレ博士により記載されたセグノサウルスの仲間としてセグノサウルス科という分類がなされていました。その後、テリジノサウルスとセグノサウルスに類縁関係がある事が判明し、先に設立されていたテリジノサウルス科に優先権がある事が分かった為、今日ではセグノサウルス科ではなく、テリジノサウルス科とされています。
参考文献:「覇者・恐竜の進化戦略」金子隆一著 ハヤカワ文庫、Wikipedia「Erlikosaurus」
エルリコサウルスが発見された地層はバインシレ層といい、およそ9300~8000万年前、チューロン期からカンパン期にかけて堆積した地層らしいです。エルリコサウルスが発見されたのは約9000万年前、セノマン期からサントン期とされています。同じ地層からはテリジノサウルスの仲間であるセグノサウルス、エニグモサウルス、原始的なダチョウ恐竜ガルディミムス等が発見されています。
ホロタイプIGM 100/111は完全な頭骨、幾つかの首の骨、左の上腕骨、左の足からなり、首から尻尾にかけての骨が全然ない為、体長の見積もりが4.5~6mと幅があります。G.ポール博士は体長4.5mと見積もっており、大きな爪で捕食者に立ち向かったのではないかと推測しています。

分類的には、フィル・センター博士やリンジー・ザノ博士の系統解析によると、大体テリジノサウルスのすぐ横にきており、テリジノサウルス類の中ではかなり派生的な種である様です。イラストでは、かなり首を長く書きましたが、ノトロニクスなんかもかなり首が長いので、ありえなくはないかな、と思います。
エルリコサウルスは初めて頭骨が発見されたテリジノサウルスの仲間で、現在でも最も完全な頭部だそうです。2012年にブリストル大学のスティーヴン・ローテンシュテイガー博士、エイミー・レイフィールド博士らによってCTスキャンを用いた研究がなされたのですが、嗅覚、聴覚が良く、バランス感覚にも優れていた事が分かったそうです。また前脳が発達しており、複雑な社会行動が取れた可能性があるとしています。
因みに、ここまでテリジノサウルスの仲間という表現を用いてきましたが、エルリコサウルスが発見された当初、テリジノサウルスという恐竜がどういう恐竜なのかは全く不明でした。なので、エルリコサウルスが記載された際、1979年にペルレ博士により記載されたセグノサウルスの仲間としてセグノサウルス科という分類がなされていました。その後、テリジノサウルスとセグノサウルスに類縁関係がある事が判明し、先に設立されていたテリジノサウルス科に優先権がある事が分かった為、今日ではセグノサウルス科ではなく、テリジノサウルス科とされています。
参考文献:「覇者・恐竜の進化戦略」金子隆一著 ハヤカワ文庫、Wikipedia「Erlikosaurus」
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