幻獣の名を冠する恐竜シリーズ6 エルリコサウルス(3)_元ネタ
- 2015/03/19
- 21:16
今回は、エルリコサウルスの名前の元ネタであるエルリクについて解説してみようと思います。
※種小名はロイ・チャップマン・アンドリュースに献名されたものです。アンドリュースはモンゴル遠征の食糧を日本でも調達していたそうで、現地にアサヒビールを持っていったそうです。
エルリク(ErlikあるいはErlig)は、トルコ、モンゴル、シベリア等に伝承されるテュルク神話に登場する死神、あるいは冥府の神とされ、創造神ウルガンによって創造された最初の人間だったそうです。エルリクはウルガンと同等の地位になる事を望んだと言われており、キリスト教のルシファーを彷彿とさせます。また、エルリクは人々にあらゆる疫病、不運、死をもたらす存在で、9人いる息子も父の悪行をサポートしているといいます。ここら辺の感じはゾロアスター教の影響を受けているのではないかと言われている様です。
エルリクの容貌、豚の顔と人の体を持つとされていますが、他にも黒い目の髭の老人という風にも表されると言います。
具体的なヴィジュアルは、コラン・ド=プランシーという19世紀フランスの文筆家の作である「地獄の辞典」という本にありますが、ラッパの様に長い鼻で死に瀕した人間を嗅ぎ付けるとされています。

「地獄の辞典」の挿絵のエルリクは地獄の王としてはしょぼかったので、若干盛りました。
この本によると、人が病気で死んでしまうのはエルリクの仕業であると考えられていたとされていて、身分の高い人物(いわゆるカーン=王とか)が病気になると、臣下の人間が身代わりとなる為に王の名と衣装を譲り受け、生贄として町から放逐されていたと書かれています。ただし、この儀式は形式的なもので、普通に戻ってきて暮らしていけるんだそうです。しかし、生贄になった事実は取り消されない為、名前は生涯元に戻してもらえなかったそうです。
因みに生前悪い事をした人間は死後悪霊となり、エルリクの元に行くそうで、この悪霊をアダと呼ぶそうです。ドロマエオサウルス科の中にアダサウルスというのがいますが、このアダから取られた名前です。こちらもいずれ紹介したいです。
参考文献:「地獄の辞典」 コラン・ド=プランシー 著/床鍋剛彦 訳 講談社、Wikipedia「Erlik」
※種小名はロイ・チャップマン・アンドリュースに献名されたものです。アンドリュースはモンゴル遠征の食糧を日本でも調達していたそうで、現地にアサヒビールを持っていったそうです。
エルリク(ErlikあるいはErlig)は、トルコ、モンゴル、シベリア等に伝承されるテュルク神話に登場する死神、あるいは冥府の神とされ、創造神ウルガンによって創造された最初の人間だったそうです。エルリクはウルガンと同等の地位になる事を望んだと言われており、キリスト教のルシファーを彷彿とさせます。また、エルリクは人々にあらゆる疫病、不運、死をもたらす存在で、9人いる息子も父の悪行をサポートしているといいます。ここら辺の感じはゾロアスター教の影響を受けているのではないかと言われている様です。
エルリクの容貌、豚の顔と人の体を持つとされていますが、他にも黒い目の髭の老人という風にも表されると言います。
具体的なヴィジュアルは、コラン・ド=プランシーという19世紀フランスの文筆家の作である「地獄の辞典」という本にありますが、ラッパの様に長い鼻で死に瀕した人間を嗅ぎ付けるとされています。

「地獄の辞典」の挿絵のエルリクは地獄の王としてはしょぼかったので、若干盛りました。
この本によると、人が病気で死んでしまうのはエルリクの仕業であると考えられていたとされていて、身分の高い人物(いわゆるカーン=王とか)が病気になると、臣下の人間が身代わりとなる為に王の名と衣装を譲り受け、生贄として町から放逐されていたと書かれています。ただし、この儀式は形式的なもので、普通に戻ってきて暮らしていけるんだそうです。しかし、生贄になった事実は取り消されない為、名前は生涯元に戻してもらえなかったそうです。
因みに生前悪い事をした人間は死後悪霊となり、エルリクの元に行くそうで、この悪霊をアダと呼ぶそうです。ドロマエオサウルス科の中にアダサウルスというのがいますが、このアダから取られた名前です。こちらもいずれ紹介したいです。
参考文献:「地獄の辞典」 コラン・ド=プランシー 著/床鍋剛彦 訳 講談社、Wikipedia「Erlik」
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