ティラノサウルス科_ティラノサウルス(5) 生態について_1
- 2014/10/20
- 02:27
ティラノサウルスはどんな風に生きていたのでしょうか。直接見る事はできませんが、古生物学者は骨から読み取れる事実から探偵の様に推理を巡らせて生態を考察します。
1.群れを作っていたのか
ティラノサウルスが群れを作っていたのかどうかについて直接的な証拠はありません。僅かに可能性を仄めかす発見として、スーと一緒により小さなティラノサウルスの骨が見つかった例があります(やや小さい個体と子供2頭分)。これを家族と考える研究者もいますが、多くの研究者は川の氾濫等でたまたま一か所に集まったものと考えています。
近い仲間で言えば、アルバートサウルスが群れを作っていた可能性があります。1910年にバーナム・ブラウンがカナダのアルバータ州で複数のアルバートサウルスが1か所に埋まっているのを発見しているのです。が、ブラウンは一部の化石のみ発掘して帰ってしまいました。この事を知ったロイヤルティレル博物館のフィリップ・カリーはその場所を探し、1997年に見つけ出しました。この場所からは12頭以上の様々な年齢のアルバートサウルスが採取されたと言う事です。

アルバートサウルス。ティラノサウルスに近縁の肉食恐竜。
また、カリーは1998年にアルゼンチンで後にマプサウルスと命名されるカルカロドントサウルス類の肉食恐竜を発掘していますが、この時はサイズの異なる6頭分が採取されています。

マプサウルス。日本でも全身骨格が見られるが、デキはイマイチ、というか酷い。
他にも原始的な肉食恐竜であるコエロフィシスやメガプノサウルス(旧名シンタルスス)等が1か所でまとまって見つかっています。
これらの発見を総合すると、肉食恐竜の中には群れを作って集団生活を送っていた種類がいた事は確かであると思われます。ただし、非常に近縁なライオンとトラでも群れを作るライオンと単独行動するトラと違いがありますので、やはり直接的な証拠が発見されない限り、ティラノサウルスが群れで行動していたかどうか不明と言わざるを得ないでしょう。また、群れの社会性についても、オオカミの様にボスがいたり、狩りに行けない子供の面倒を見るメスがいたりする様な高度なものであった可能性は低いと思われます。鳥やワニも群れていますが、基本、ボスはおらず、好き勝手に生活している様です。恐らく、ティラノサウルスが群れで生活していたとしても、相互の関係性はゆる~い感じだった事でしょう。
参考文献:「Sue スー 史上最大のティラノサウルス発掘」 ピーター・ラーソン/クリスティン・ドナン著、Dino Press Vol.1 オーロラ・オーバル社
1.群れを作っていたのか
ティラノサウルスが群れを作っていたのかどうかについて直接的な証拠はありません。僅かに可能性を仄めかす発見として、スーと一緒により小さなティラノサウルスの骨が見つかった例があります(やや小さい個体と子供2頭分)。これを家族と考える研究者もいますが、多くの研究者は川の氾濫等でたまたま一か所に集まったものと考えています。
近い仲間で言えば、アルバートサウルスが群れを作っていた可能性があります。1910年にバーナム・ブラウンがカナダのアルバータ州で複数のアルバートサウルスが1か所に埋まっているのを発見しているのです。が、ブラウンは一部の化石のみ発掘して帰ってしまいました。この事を知ったロイヤルティレル博物館のフィリップ・カリーはその場所を探し、1997年に見つけ出しました。この場所からは12頭以上の様々な年齢のアルバートサウルスが採取されたと言う事です。

アルバートサウルス。ティラノサウルスに近縁の肉食恐竜。
また、カリーは1998年にアルゼンチンで後にマプサウルスと命名されるカルカロドントサウルス類の肉食恐竜を発掘していますが、この時はサイズの異なる6頭分が採取されています。

マプサウルス。日本でも全身骨格が見られるが、デキはイマイチ、というか酷い。
他にも原始的な肉食恐竜であるコエロフィシスやメガプノサウルス(旧名シンタルスス)等が1か所でまとまって見つかっています。
これらの発見を総合すると、肉食恐竜の中には群れを作って集団生活を送っていた種類がいた事は確かであると思われます。ただし、非常に近縁なライオンとトラでも群れを作るライオンと単独行動するトラと違いがありますので、やはり直接的な証拠が発見されない限り、ティラノサウルスが群れで行動していたかどうか不明と言わざるを得ないでしょう。また、群れの社会性についても、オオカミの様にボスがいたり、狩りに行けない子供の面倒を見るメスがいたりする様な高度なものであった可能性は低いと思われます。鳥やワニも群れていますが、基本、ボスはおらず、好き勝手に生活している様です。恐らく、ティラノサウルスが群れで生活していたとしても、相互の関係性はゆる~い感じだった事でしょう。
参考文献:「Sue スー 史上最大のティラノサウルス発掘」 ピーター・ラーソン/クリスティン・ドナン著、Dino Press Vol.1 オーロラ・オーバル社
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