幻獣の名を冠する恐竜シリーズ9 シアッツ(2)_元ネタ
- 2015/04/11
- 04:59

羽毛ありバージョン。
さて、シアッツの発見は、白亜紀の捕食者の研究の上で非常に重要な発見だと言います。これは、ジュラ紀後期~白亜紀後期にかけての地層が世界的に少なく、情報が少ない為、トッププレデターの座がいつアロサウルス類からティラノサウルス類に切り替わったのか長い間不明だった点に光明を投げかけるからです。
アメリカでは、シアッツより少し前の時代のトッププレデターとしてアクロカントサウルスが知られています。全長12mにも達する巨大なカルカロドントサウルス科の恐竜です。

アクロカントサウルスの頭骨。福井県立恐竜博物館にて。
これと入れ替わる形で登場したのが、同じくアロサウルス類のシアッツです。シアッツと同じ地層からは原始的なティラノサウルス類の歯が見つかっている為、シアッツが生息していた時代には、ティラノサウルス類はまだ大型化していなかったようだというのが分かりました。現状知られているティラノサウルス科で最も古いのはリトロナクスで約8000万年前です。シアッツとは約2000万年離れているので、この間はどんな肉食恐竜はトッププレデターとして君臨していたのか、これはまだ不明です。
名前の元ネタになっている伝説の怪物シアッツ(シアッチともいうらしい)は、ヒト型の怪物らしいです。海外のサイトでわずかに解説しているのがあったので参考に紹介してみます。
それによると、シアッツは奇妙な恰好(派手でおかしいという意味?)をした人に見える姿をしており、人間を貪り喰らうとされています。また、女性型のものもいて、こっちはバペッツ?Bapetsというそうです。子供を好んで攫い、毒のある母乳を飲ませて殺して食べるといいますが、怖いですね。
スティーヴン・キングの小説「イット」に出てくるキラークラウンの様な存在であると書かれていましたが、どうなんでしょう。グールやオーガみたいな鬼の様な妖怪なのか、ヒサルキの様に人に憑りついて人食させる悪霊なのか、ちょっとわかりません。
参考文献:ナショナルジオグラフィック日本語版、Wikipedia英語版「Siats」、
参考サイト:Terrors of the Mind: Mythological and Unexplained Beasties Volume
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