アロサウルス上科について(5)_アロサウルス科_アロサウルス_1
- 2015/05/24
- 23:23
アロサウルス上科の花形スター、アロサウルスについて。

羽毛ありの想像図。もっと全身が覆われていたかもしれません。
アロサウルス(Allosaurus_異なったトカゲ)は、1877年にオスニエル・チャールズ・マーシュ博士によって命名された恐竜で、模式種はアロサウルス・フラジリス(A.fragilis_ギリシャ語で「脆い」の意)です。発見された部位は椎骨、肋骨、歯等(YPM1930、コロラド州のガーデン・パーク採掘場で発見されたもの)、断片的でしたが、マーシュ博士は椎骨がそれまで発見されていたどの恐竜とも異なる事から、「異なった」トカゲとし、椎骨に空洞が多かった事から種小名を「脆い、壊れやすい」としたそうです。
アロサウルスの最初の化石は、地質学者のフェルディナンド・ヘイデン博士が1869年に入手した尾椎で、これはジョセフ・ライディ博士によって1873年にアントロデムス・ヴァレンスと命名されましたが、化石が発掘された場所が良く分からなかった事、あまりに断片的すぎて種を同定するレベルではない事から現在では使われていないそうです。

アロサウルスの全身骨格。日本で初めて常設展示されたのは、このアロサウルスの骨格だそうです。
アロサウルスはモリソン累層では最も多く見られる捕食動物であり、ケラトサウルスやトルヴォサウルス等と生息域を共有していた様ですが、おそらく襲う獲物が異なる事で棲み分けが出来ていたのではないかと推測されます。その他の地域でも、ポルトガルでアロサウルスとトルヴォサウルスが、タンザニアでアロサウルスとケラトサウルス(どっちも怪しいらしいですが…)が見つかっており、ジュラ紀後期には汎世界的に生息していた様です。
アロサウルスの狩りについて、頭骨の研究から推測がなされています。当時ケンブリッジ大学のエミリー・レイフィールド博士(現ブリストル大学)により有限要素解析という方法でアロサウルスの頭骨の強度が調べられました。この解析方法は、物体に力を加えた際に、物体の中で力がどの様に作用するかを見る手法だそうで、元々は飛行機や建築物に対して使用されていたんだそうです。この解析結果によると、アロサウルスの噛む力はティラノサウルスに比べて低くヒョウ程度であったとされます。そのかわり、頭骨の強度は高かった事が分かりました。この事から、アロサウルスは獲物に対し、自らの頭を振りかぶって叩きつけ、まるで手斧の様に使用したのではないかと考えられました。

アロサウルスの頭骨。孔が多く、軽い割に強度があったそうです
また、アロサウルスの主な獲物は、同時代に生息していた巨大な竜脚類(ディプロドクス、アパトサウルス、ブラキオサウルスなど)と考えられますが、1体で戦いを挑むには小さすぎました(相当大きな個体もいた様です。後述します)し、頭部も小さ目で歯も大きくありませんでした。この為、群れを作って襲撃した可能性があります。ユタ州エメリー郡のクリーヴランド・ロイド発掘場では1か所から少なくとも47個体ものアロサウルスが発見されており、これも群れで生活していた可能性を仄めかしています。ここでは各種成長段階の個体が発見されており、体長1m以下の個体から12m(!!)と推測される個体までいたという事です。
と、まあ、グダグダと書いてきましたが、Wikipediaの方が遥かに詳しく書いてあるので、そちらを見た方が良いと思います。日本語のページでも、図鑑なら5~6P分くらいの量なので、めちゃくちゃ参考になりますYO
アロサウルスには、現在までにフラジリス種(A.fragilis)、アトロクス種(A.atrox)、ジムマドセニ種(A.jimmadseni)、ルーカシ種(A.lucasi)、エウロパエウス種(A.europaeus)、テンダグレンシス種(A.tendagurensis)、アンプレクサス種(A.amplexus)、マキシムス種(A.maximus)等の種が命名されています。それぞれについては、次回に簡単に説明したいと思います。
参考文献:「肉食恐竜辞典」グレゴリー・ポール著 河出書房新、「恐竜博2005-恐竜から鳥への進化」図録、
英語版Wikipedia「Allosaurus」

羽毛ありの想像図。もっと全身が覆われていたかもしれません。
アロサウルス(Allosaurus_異なったトカゲ)は、1877年にオスニエル・チャールズ・マーシュ博士によって命名された恐竜で、模式種はアロサウルス・フラジリス(A.fragilis_ギリシャ語で「脆い」の意)です。発見された部位は椎骨、肋骨、歯等(YPM1930、コロラド州のガーデン・パーク採掘場で発見されたもの)、断片的でしたが、マーシュ博士は椎骨がそれまで発見されていたどの恐竜とも異なる事から、「異なった」トカゲとし、椎骨に空洞が多かった事から種小名を「脆い、壊れやすい」としたそうです。
アロサウルスの最初の化石は、地質学者のフェルディナンド・ヘイデン博士が1869年に入手した尾椎で、これはジョセフ・ライディ博士によって1873年にアントロデムス・ヴァレンスと命名されましたが、化石が発掘された場所が良く分からなかった事、あまりに断片的すぎて種を同定するレベルではない事から現在では使われていないそうです。

アロサウルスの全身骨格。日本で初めて常設展示されたのは、このアロサウルスの骨格だそうです。
アロサウルスはモリソン累層では最も多く見られる捕食動物であり、ケラトサウルスやトルヴォサウルス等と生息域を共有していた様ですが、おそらく襲う獲物が異なる事で棲み分けが出来ていたのではないかと推測されます。その他の地域でも、ポルトガルでアロサウルスとトルヴォサウルスが、タンザニアでアロサウルスとケラトサウルス(どっちも怪しいらしいですが…)が見つかっており、ジュラ紀後期には汎世界的に生息していた様です。
アロサウルスの狩りについて、頭骨の研究から推測がなされています。当時ケンブリッジ大学のエミリー・レイフィールド博士(現ブリストル大学)により有限要素解析という方法でアロサウルスの頭骨の強度が調べられました。この解析方法は、物体に力を加えた際に、物体の中で力がどの様に作用するかを見る手法だそうで、元々は飛行機や建築物に対して使用されていたんだそうです。この解析結果によると、アロサウルスの噛む力はティラノサウルスに比べて低くヒョウ程度であったとされます。そのかわり、頭骨の強度は高かった事が分かりました。この事から、アロサウルスは獲物に対し、自らの頭を振りかぶって叩きつけ、まるで手斧の様に使用したのではないかと考えられました。

アロサウルスの頭骨。孔が多く、軽い割に強度があったそうです
また、アロサウルスの主な獲物は、同時代に生息していた巨大な竜脚類(ディプロドクス、アパトサウルス、ブラキオサウルスなど)と考えられますが、1体で戦いを挑むには小さすぎました(相当大きな個体もいた様です。後述します)し、頭部も小さ目で歯も大きくありませんでした。この為、群れを作って襲撃した可能性があります。ユタ州エメリー郡のクリーヴランド・ロイド発掘場では1か所から少なくとも47個体ものアロサウルスが発見されており、これも群れで生活していた可能性を仄めかしています。ここでは各種成長段階の個体が発見されており、体長1m以下の個体から12m(!!)と推測される個体までいたという事です。
と、まあ、グダグダと書いてきましたが、Wikipediaの方が遥かに詳しく書いてあるので、そちらを見た方が良いと思います。日本語のページでも、図鑑なら5~6P分くらいの量なので、めちゃくちゃ参考になりますYO
アロサウルスには、現在までにフラジリス種(A.fragilis)、アトロクス種(A.atrox)、ジムマドセニ種(A.jimmadseni)、ルーカシ種(A.lucasi)、エウロパエウス種(A.europaeus)、テンダグレンシス種(A.tendagurensis)、アンプレクサス種(A.amplexus)、マキシムス種(A.maximus)等の種が命名されています。それぞれについては、次回に簡単に説明したいと思います。
参考文献:「肉食恐竜辞典」グレゴリー・ポール著 河出書房新、「恐竜博2005-恐竜から鳥への進化」図録、
英語版Wikipedia「Allosaurus」
スポンサーサイト